私は普段フリーランスでライター・編集者をしています。都内在住で2023年2月現在、33歳独身、フリーになって5年目の今、ありがたくも複数の企業からお仕事をいただけています。充実したフリーランス生活は、時には忙しくありつつも楽しいもので恵まれていると感じることも多いです。

しかし、1から100までいつもそう思うかというとそんなことはなく……これからやってくると噂の「40歳の壁」が怖くて怖くて仕方ありません。

「私、40歳になっても、ライターとして生計を立てられているんだろうか……?」1分に1回はよぎる不安。そんな時、私の目に飛び込んできたのは『40歳の壁』と題された一冊の本でした。

 

「40歳の壁」の正体とは?

30歳を超えたあたりから、少しずつ聞こえ出した「40歳の壁」という言葉。本書内では、以下のように定義されています。

「40代になり、家族もいて、今さら大きな変化は起こせない。家事・育児・仕事をしていると、毎日があっという間に過ぎていく。でも、どこか不安で自分の人生の意味を問い直さずにはいられなくなる。
(中略)
『残りの人生も今の積み重ねでいい? 満足している?』
私だけでなく、同世代の多くが、このモヤモヤ感を感じているように思います」

いわゆる、この「モヤモヤ感」が「40歳の壁」なのだそう。その通りである。当方、独身ゆえに家族もいないため、日々やることは仕事(+お情け程度の家事)くらいしかないけれど、それでも感じます、モヤモヤ感。

いまのまま現状維持で、いただけるお仕事を粛々とこなすだけで十分なような気もするし、そんな自分に花丸をあげたい気持ちはやまやまです。

だけど、本当にこのままでいいのでしょうか?

世のなかの30代前半〜40代の皆さまは、組織における自分の立ち位置に沿って、必要な勉強をしたり資格を取ったりしているのでしょう。でも、私は? フリーランスゆえに課題やフィードバックを与えてくれる上司や先輩もおらず、出世なんて概念もありません。

このままじゃ、現在のスキルと精神性のままアラフォーになってしまう……。いや、それでも問題ないっちゃないのかもしれません。でも、いわゆる「VUCA(Volatility・Uncertainty・Complexity・Ambiguity)」といわれる時代、現状維持のままでは老後が不安です。ニュースでは「自助・自助」って言ってるし。

「40歳の壁」を越えるために、いまからできる2つのワーク

恐怖に怯えきっている私は、ひとまず本書に記してあるワークをやってみることにしました。この本によると、「人生の後半戦こそ、主体的に幸せを感じることを追求してみる、やりがいを感じる仕事を選んでいくことが大切」と書かれています。

そして、その「やりがいや幸せを感じる仕事=自分業」は、以下3つのポイントを押さえられている仕事でなければいけません。

お金

つながり

健康

確かに、40歳以降もある程度はお金を稼ぎたいし、社会的なつながりも保っていたい。若い頃よりは体力の衰えに不安を覚え始める時期ですから、健康にも配慮しておきたいところです。

そんな3つのポイントを押さえた「自分業の種」を見つけるためのワークが、主に以下の2つ。

「人生後半戦の目的」を言語化する
これまで「時間」と「お金」を使ってきたモノ・コトを洗い出す

まず「人生後半戦の目的」を言語化してみます。令和は別名・言語化の時代と言われてもおかしくないほど、やたら言語化・言語化といった言葉が飛び交っていますよね。それほど、自分の心にあるアレコレを言葉にしておくことは、大事なようです。

人生の目的……とても大きなテーマですが、要は「どんな過ごし方をしたいか?」ってことでしょう。

【私の例:人生の後半戦、どんな過ごし方をしたい?】

続けて、2つめのワークもやってみます。

【私の例:これまで「時間」「お金」を使ってきたモノ・コト】

前者のワークについて、意外と「欲望ダダ漏れ!」みたいな結果にはなりませんでした。公開される文章なので少々カッコつけた面も否めませんが、ライターとしての仕事は人生の後半戦も続けていきたいのが本音。昔の文豪のような、気まぐれに、その日の気分で書いたり書かなかったりする生活を送りたいようです。

後者のワークについて、前者と比べると「使ってきた時間やお金」と指標がはっきりしているので、人によってはこちらのほうが答えやすいかもしれません。また、本書内でも推奨されている方法として、「この話題について人と話してみる」もおすすめしたいです。他者から見た自分って、意外なところに時間やお金を使っていることがあります。

以上2つのワークから何がわかるかというと、まず、人生の後半戦にどんな過ごし方をしたいかで、自分業の方向性が定まります。私の場合、とにかく「執筆」から大きく外れない仕事を選べば、大きな後悔はなさそうです。

そして、これまで時間やお金を費やしてきたモノ・コトは、そのまま自分の嗜好や好奇心が向く先を表します。私の場合、「執筆」に本や映画、ドラマを掛け合わせると良さそうです。

現状、ありがたいことに映画コラムやドラマレビューを書く仕事も、少しずついただけています。将来的には、お笑いや演劇にまつわる執筆ができるようになれば、さらに仕事の幅を広げていけそうです。

「40歳の壁」はアラサーほど意識しておきたい壁

本書では、「サバティカルタイム(サバティカル休暇)」も推奨されています。「使用用途を決めない休暇」のことで、制度として採用している企業もあるそう。この休暇の間に、自分業を見つけ出すワークをやったり、実際に自分業として成り立つか諸々試してみたりすることを勧めています。

このサバティカルタイムを確保するには、日本では制約も多いでしょう。有給も満足に取りにくい風潮が残っているのに、なかなか「1年間休みます!」とは言えないものです。まとまった休暇が取れないなら、週末だけ、あるいは平日夜の30分だけをサバティカルタイムに充てる方法についても書かれています。

40歳の壁に付属する「壁」として、出産や子育て、夫婦関係にまつわる壁についても触れられている本書。独身アラサーの私にとっては、現状あまり関連しない項目も多めです。同じく独身女性、あるいは男性の方にとっては、参考にできる部分は限られるかもしれません。

ただ、まさに出産・育児を経験しており、40歳目前にしてキャリアの壁にぶち当たりそうな(もしくは、ぶち当たっている)方には、おすすめできます。

アラサーほど意識しておきたい40歳の壁。ひとまず本記事でご紹介した2つのワークをやってみたことで、なんとなくではありますが、40歳以降の仕事人生について大まかな方向性を定められました。いつ演劇やお笑いについての執筆依頼をいただいてもいいように、劇場に通う生活をスタートしようと思います。

(文:北村有

presented by paiza

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