わたしはかれこれ、17年以上文章を書いています。商業出版もしていますし、こうやってライターとしても活動をしているため、文章を書くのは得意です。

では「才能はあるのか?」という話になると、首をかしげてしまいます。いや、得意ではあるけど、才能があるのとはまた違うのではないかと。

というのも「才能がある」と聞いて思い浮かぶのは、華々しい活躍をしている一流選手や芸術家なので、それらと比較してしまうとぜんぜん才能なんてなさそうに思えてしまうのです。

本記事で紹介する八木 仁平 氏の著書『世界一やさしい「才能」の見つけ方』では、才能をこう定義しています。

「つい、やってしまうこと」

あれ? そんなことが才能なの?……と、「人よりうまくできる能力」が才能だと思っていると拍子抜けしてしまいそうです。「つい、やってしまうこと」なんて誰にでも1つはあるので、つまりはすべての人になんらかの才能があるということです。

では「才能=つい、やってしまうこと」とはどういう意味でしょうか?

「才能」とは「つい、やってしまうこと」

実際に「つい、やってしまうこと」を思い浮かべてみましょう。わたしの場合は、次のようなものです。

  • PCをさわる
  • スマホをさわる
  • 音楽を聴く

そうなんですよ。ついつい、PCやスマホをいじいじしてしまいます。とはいえ「わたしにPCやスマホをつかう才能があるのか!」と結論を出すのはあせりすぎです(笑)。

これだと解像度が粗すぎるので、もっと掘り下げてみましょう。このなかの「PCをさわる」に焦点を当ててみます。

わたしがPCを「つい、つかって」なにをしているのかというと、文章を書いています。それはSNSであったり、ブログだったり、書籍の執筆だったりしますが、とにかく文章を書くのが楽しいです。

でも、文章を書く行為が好きなのかと考えてみると違うことに気づきました。どうやら、なにかをわかりやすくまとめて表現し、伝えることが好きなんですね。

わたしにとって文章を書くことは目的ではなく手段で、なにかを表現することが目的で、「表現する手段」は文章だけではなく、イラストでも写真でもよくて、とにかく表現する行為が好きなようです。

つまり「文章」の才能ではなく、「表現してわかりやすく伝える」という才能なんですね。ちなみに「才能」という言葉だとおこがましく聞こえますが、本書では「性質」と同義です。

わたしが誰にも負けない才能

そしてわたしにはもうひとつ誰にも負けない才能があります。それは、読解力がないことです。

「は? それはダメな点やん!」とツッコまれそうですが、短所だと思われている自分の性質も、本書を読めば「これは才能です」と胸を張って言えるようになるはず。

八木氏は本書で次のように述べています。

例えば、「つい抜け漏れがないかを確認してしまう」という才能は、スピードを求められる環境では「仕事が遅い」という短所として発揮されてしまいます。

しかし、正確さを求められる環境では「ミスをしない」という長所として発揮することができます。

この例の場合、長所が「ミスをしない」、短所が「仕事が遅い」で、才能は「慎重に進める」です。長所と短所は表裏一体で、その才能が発揮される場であれば長所に、発揮されない場であれば短所になるということ。

わたしの「読解力がない」という短所は「わかりやすい文章に対する感性が強い」と言い換えられそうです。

そのため、わたし自身が理解できる文章を書けば、ほとんどの人に伝わるわかりやすい文章が書けることになります。だって、ほとんどの人はわたしより読解力が高いもの。

このように「これは短所だ」と思っている性質でも、プラスに働けば必ず長所になるのです。

才能を見つける方法は「イラッとすること」?

自分の才能に気づければ、きっと人生はうまくいくはずですが……残念ながら「才能」には「本人には気づきにくい」という弱点があります。

「自分にも才能があれば……」と思ったり、「あの人みたいになりたいな」と誰かに憧れる人は多いですが、自分にある才能に気づいていないだけなのです。

では「才能」を見つける手っ取り早い方法はあるのでしょうか? 本書では「他人にイラッとすること」が才能を見つけるポイントだと述べられています。

これだけでは意味がわからないと思うので説明しますね(笑)。自分が空気を吸うようにあたりまえにできることは、他人にとってもかんたんだと思いこんでいませんか?

そのため、そんな「かんたんなこと」ができない人をみると「なんでこの人はあたりまえのことができないんだよっ!」とイライラするのです。

この一節を読んで、弟とレストランに行ったときのエピソードを思い出しました。弟はそのレストランの接客態度をみて、イライラしながらわたしにこう言いました。「ここの接客、ひどいな!」と。

それを聞いたわたしは「え?」と思い、目が点になりました。なぜならスタッフの接客が悪いなんて1ミクロンも思っていなかったからです。弟にくわしく聞くと、メニューの聞き方から食器の置き方、言葉選びまで、あらゆる点でボロクソに言うのです。

弟は接客が好きで、ホスピタリティを専門的に学んで、接客の仕事に誇りをもっています。そうなのです。弟には「接客で相手をよろこばせる才能」があるため、できない人を理解できずイライラしていたのです。

日常で「こんなかんたんなこと、なんでできないの?」とイライラすること、ありませんか? そう思ったら、自分の才能に気づくチャンスです。

 副次的効果で人間関係も円滑に

本書の目的は「自分の才能を見つけること」です。でも、本を読むことで得られる「才能を見つけるスキル」には副次的効果があります。

それは、他人の短所に寛大になれること。「短所は長所の裏返し」と書かれていると述べましたが、それは他人にもあてはまるのです。

たとえば夫婦同士で「なぜこんなことができないんだ」とお互いにイライラすること、よくありますよね。もし、お互いに「才能」に対する理解があればどうでしょうか?

相手の問題点がみえても次のように、ポジティブに思えるようになります。

この人のこの短所は角度を変えてみると長所が隠れているはず!
この人の行動に対して、いまわたしがイライラしているのはなぜだろう? 才能を見つけるチャンス!

「イライラ=才能発見のチャンス」という知識をお互いにもつことで衝突も避けられるし、むしろお互いの苦手な部分を補完し合って、おもしろい活動につながるかもしれません。

ぜひ「才能を見つける」というスキルを身につけ、よりよい人生を能動的に築いていくために役立てましょう。

(文:ヨス

― presented by paiza

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