中小企業の社員や個人事業主であれば 「弥生」シリーズ製品と聞いて、ピンとくる方も多いのではないか。簡単で使いやすく信頼できるソフトウェアを提供するために、弥生株式会社は日々進化を遂げている。今回は、開発本部の次世代プロダクト開発に携わるエンジニア・ 内山大悟さんと平井貴人さんに、弥生の開発組織の在り方について聞いた。

弥生の開発チームがどのようにして使いやすいソフトウェアを生み出し、顧客の進化するニーズに応えているのか、その取り組みについて深く探っていこう。

弥生ならではのフラットでオープンな企業文化

ーー現在のポジションに至るまでの経歴についてお聞かせいただけますか?

平井:僕はもともと、保育の専門学校に通っていたんです。だから学生時代は特に情報処理について勉強していたわけではありませんでしたが、IT系の分野に魅力は感じていました。そこで就職の機会に、未経験者歓迎の企業を探したんです。最初は規模の小さいベンチャー企業で働き始め、約5〜6年間経験を積みました。いろんな会社の異なるやり方を見たいなと思って、SES企業に転職し、約9年間勤務しました。

ーーそこから弥生に転職したのはなぜだったのでしょうか?

平井:最初の計画ではSES時代は約2年毎に異なる部署での経験を積む予定でしたが、結局、約7年間同じ部署に携わることになりました。前職への転職当初は様々な業務経験を得る機会をSESのメリットとして考えていたのですが、そうはならなかったです。どうせ1つの案件を長くやるのであればそこで自身の基盤を築きたいと考え、「自社製品を開発している企業」に転職したいと思ったんです。

ーー内山さんはいかがでしょうか?

内山:もともと物作りが好きで、高校時代からウェブサイトなどを制作していました。その経験から、1社目はSIerに入社しました。最初は開発にも取り組めていたのですが、徐々にマネジメント業務が中心になってきまして……。物作りの楽しさをもう少し突き詰めたい気持ちもあり、エンジニアリングにもっと携われるキャリアを積みたいと考えました。今は今年7月に設立された「次世代プロダクト開発」という部署で、新規プロダクトの開発に携わっています。

ーーさまざまな会社がある中で、弥生に入社した理由は何だったのでしょうか?

内山:きっかけとしてはリファラルで声をかけていただいたんです。ただ、興味を持ったのは良い意味でイメージとのギャップがあったからでした。会計ソフトウェアの会社というイメージに、堅い開発スタイルを連想していたんですけど……。実際は会社としてAWSに力をいれていたり、 ReactやGraphQLなどの比較的新しい技術も採用していたりすることが分かり、大きく印象が変わりました。

平井:私もきっかけはリファラルです。弥生に入社する前は、もっと堅実なアプローチを採用していると思っていました。製品が長い歴史を持っているため、古い要素が多いと考えていたんですよね。でも実際は新しい技術に挑戦し、新しいアプローチに挑戦している会社だと思います。

ーー社内はオープンな雰囲気だと広報の方がおっしゃっていました。

内山:そうですね。フラットでオープンな文化が浸透していると思います。Slackを通じてほとんどの情報が共有され、会議の共有も頻繁に行われています。Slackで相談すると、他のチームのメンバーがアドバイスをくれるケースもあって。直接的な答えに繋がらなくても、みんな積極的にヒントをくれるんです。ありがたいですよね。

平井:同じ印象です。私は転職が2回目なのですが、以前の会社と比べて研修制度とコミュニケーションのサポートが充実していると感じました。前の会社では入社後すぐにプロジェクトに参加し、他の社内メンバーを全く知らないまま進む場合が多かったのですが、ここでは約2ヶ月間、1日1時間ほどの研修があり、非常にサポートが手厚いと思います。コミュニケーション面でも1on1ミーティングがチーム内で行われ、他のチームとの交流会が開催されるなど、サポートが行き届いている印象が強いです。

モブプログラミングで新しい技術が習得できる環境

ーー弥生のエンジニア組織では、それぞれの技術やスキルに基づいて、プロジェクトが割り当てられる仕組みではないと聞きました。実際に現場で働いていて、思い当たる節はありますか?

内山:思い当たる節しかないですね(笑)。新しいメンバーは、そのプロジェクトで必要なスキルを習得し、チームとして協力して成長していくイメージです。プロジェクト内での経験を通して感覚を掴むと言いますか。また複数人で作業するモブプロ(モブプログラミング) もあります。得意なメンバーと一緒に作業することで、技術を吸収しながらチーム全体が成長していますね。

平井:私自身、以前はバックエンドに専念していましたが、弥生ではバックエンドとフロントエンドの両方を担当していて。C#やTypeScriptなど、これまで触れてこなかった初めての技術に挑戦しています。前社での得意不得意が配属に反映されているというよりは、私の過去の経験が新規開発プロジェクトに適していたため、このチームに配属されたのではないかと思います。

ーー勉強会も含め、社内で知識を共有できる場も多いのでしょうか?

内山:社内のSlackでは新しい技術情報が頻繁に共有されていたり、月1回の全体会では、一人5分間で複数人が LTの発表を行ったりするなど、知識を共有する機会が多くあると思います。

平井:ですよね。あとは1on1ミーティングを通じて相談する機会もあります。最近の1on1ミーティングでは、「会計ソフトの知識を深めたくて簿記3級の勉強をしているけれど、しっくりこない」という相談をしました(笑)。

内山:私の場合は、上司との月1回の1on1のほか、もう1人メンターのような形で毎週相談できる方がいる環境です。話を聞いてもらえる環境が整っているのは、ありがたいですよね。

ーー1on1ミーティングでキャリア相談をされる方も多そうな印象です。それこそ、キャリアについてエンジニアとマネージャーで迷っている方も多いですよね。

平井:以前はマネジメント職を担当していた背景もあり、今はプレイヤーとしての役割を楽しんでいます。ただ、人とコミュニケーションを取る業務も好きなので、マネージャーとエンジニアの間に立つキャリアが理想だと思っています。

内山:私も平井さんと同じく、エンジニアを楽しみつつ将来的には中間的な役割を果たしていきたいと考えています。

弥生はエンジニアとマネージャー、両方のキャリアパスをサポートしてくれる印象です。従業員の意思を尊重しながら、それぞれが望むキャリアを追求できる環境を提供してくれていますね。

ーー ありがとうございます!最後に、弥生でエンジニアとして働くのに向いている人の特徴があれば教えてください。

平井:チームによるかもしれませんが、人数が多いところではペアプロ・モブプロなど協力型のアプローチが採用されているため、単独作業よりもコミュニケーションを取りながら進められる方が向いていると思います。

内山: 変化を楽しめる人ですかね。会社側がチャレンジを奨励し、失敗にも対処できる環境を提供してくれていると感じます。だからこそ試してみて駄目だった場合でも、もう一度前向きに取り組める人が合っていると思います。

株式会社弥生
https://www.yayoi-kk.co.jp/

(取材・文:すなくじら、撮影:川島大雅

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