外資金融大手企業出身の岡野大さん・山口雅史さんと、メガベンチャーでエンジニアをしていた益子遼介さん・中村翔さん。2019年7月、この4人によって株式会社sustenキャピタル・マネジメントが創業されました。

「誰もが安心して暮らせるsustainableな社会の実現」というビジョンのもと、「家族や友人にすすめられる投資運用サービスの創出」をミッションに、事業を展開しています。

『週刊東洋経済』の「すごいベンチャー100」にも選出されている、注目のFinTechスタートアップです。

取締役として、システム開発全般を担当している益子さんと中村さんのおふたりに、エンジニアチームのカルチャーやこれから目指す姿についてうかがいました。

益子 遼介さん

株式会社sustenキャピタル・マネジメント取締役。2012年株式会社ディー・エヌ・エー入社。社内データ分析基盤の開発運用を担当、その後機械学習エンジニアとして、タクシー配車サービスなどプロダクト領域での分散処理基盤設計や、機械学習モデル開発運用などを担当。2019年7月、株式会社sustenキャピタル・マネジメント創業。取締役に就任し、システム開発全般を担当。東京大学大学院工学系研究科修了(修士)。

 

中村 翔さん

株式会社sustenキャピタル・マネジメント取締役。2012年楽天株式会社入社。OSSを組み合わせた検索エンジンのプラットフォームの内製開発、機械学習および自然言語処理を用いた検索精度改善を担当の後、楽天技術研究所にて推薦システムの研究開発に従事。2019年7月、株式会社sustenキャピタル・マネジメント創業。取締役に就任し、システム開発全般を担当。東京大学大学院工学系研究科修了(修士)。

内製で金融サービスのフルスクラッチ開発を実現

――御社では長期投資専用サービス「SUSTEN(サステン)」の開発・運用をしています。サービスの開発体制と働き方について教えてください。

株式会社sustenキャピタル・マネジメント取締役 益子 遼介さん

益子さん(以下、益子):開発を担当しているテクノロジー本部には、正社員と業務委託の方を合わせて15名が所属しています。副業として働いてくれている人も多いです。このチームにはエンジニアだけではなく、デザイナー、QAエンジニアも含まれます。さまざまな職種のメンバーが一丸となって、フルスクラッチで開発を進めています。すべて内製です。

働き方はハイブリッドワークを導入しています。対面でのコミュニケーションを重視しているので、週に2回はチーム全員が出社するようにしていますね。ディスカッションする曜日を固定しているので、それ以外の日はリモートワークで作業に集中できます。コロナ禍前から、このような働き方です。

株式会社sustenキャピタル・マネジメント取締役 中村 翔さん

中村さん(以下、中村):内製でフルスクラッチ開発をしているため、採用情報を見た方から「金融サービスの開発経験が必要ですか?」と聞かれることもありますが、必要ありません。もちろん、開発経験のある方も歓迎しています。

金融サービスは特殊なもののように感じるかもしれませんが、ほとんどの部分で一般的なWebサービスと変わりません。

実際に最近ジョインしたメンバーは、半年くらいでほとんどの開発に関われるようになっています。必要な金融知識については社内にくわしい人間がいるので、教えてもらいながら徐々に学べる環境です。

多様な組織でマネージメントする際に意識していること

――業務委託の方もいるなかで、マネージメントではどのようなことを意識されていますか?

益子:最近はオンボーディングに力を入れています。金融知識のないメンバーや業務委託メンバーも多いので、そういった場合でも必要な知識をキャッチアップしてもらえるよう、資料を準備しています。入社してから当面の間は、コードレビューも手厚くしています。知識や経験がそれほどない方でもしっかりフォローしているので、安心してもらいたいです。

あとは、コミュニケーションを意識していますね。とくに対面でのコミュニケーションを重要視しています。

さきほどもお話ししたように、週に2回はチーム全員が出社しているんです。チームでプロダクト開発をしていくなかで、顔を合わせていたほうが、いざなにかあったときにお互い助け合えます。

中村:「自己組織化された組織」を目指しているので、あまり細かいことを言い過ぎないように意識しています。

もともとは、わたしと益子がテックリードとしてコードも書いていました。でも最近は、チームメンバーが成長してくれて、自分たちだけでできるようになっています。オンボーディング資料もメンバーが自発的に作成してくれているんです。

いまはチーム内のエンジニアメンバーが、活発にディスカッションして相互にレビューしてくれています。フラットな関係性で、和気あいあいと開発していますね。

上司と部下みたいな関係性の組織にはしたくないんです。なので「報・連・相」をしなさい、という形ではなく、自発的に必要な相手と相談するようなコミュニケーションを期待しています。スクラム開発をしているなかで、上司としてではなくメンバーとしてチームに加わっています。意識してやっているわけではありませんが、仕事帰りにご飯に行ったり、業務外での交流もあるほうかと思います。

益子:開発チームの中で中村・益子はメンバーとはフラットにコミュニケーションするようにしています。オフィスエリアもフリーアドレスです。とはいえ、外部の方とやり取りをするときは取締役としてお話しますし、半期に一回はメンバーの評価もしますが。

「Team Code of Conduct」と「Tech Values」

――エンジニアチームのカルチャーについて教えてください。

中村:オープンなカルチャーです。役職や年齢などによる垣根はありません。そのうえで、楽しくものづくりができる会社にしたいと考えているので、「Team Code of Conduct」というチームのあるべき姿を定めています。「チームメイトをリスペクトし信頼すること」、「自分も信頼されるよう努力すること」、「議論の大切さ」「慎重さ」などを大事にしたい姿勢として定めています。

益子:Team Code of Conductに加えて、大事にしたい個々人の行動指標として、3つの「Tech Values」を定めています。

1つめが「Quality」です。クオリティを大事にしています。お客さまの資産を預かることは、人生を預かることと同じです。セキュリティをつねに意識し、スピードのためにクオリティを犠牲にすることはありません。

2つめが「User-First」です。わたしたちは、内製でプロダクトをつくっています。お客さまの声を聞き、お客さまにとって本当にいいものになっているかを考え抜いてプロダクトづくりをしています。

3つめが「Ownership」です。小規模なチームなので、1人ひとりが責任を持って自分が社長という意識で業務に向き合っています。オーナーシップを持って、任された仕事を最後までやり切ることが大事です。

Tech Valuesは、半年に1回実施している人事評価にも結びついています。

従来の金融サービスとはイメージの異なる技術スタック

――採用している技術スタックを教えてください。

中村:採用活動を進めるなかで感じるのですが、金融サービスには「レガシー」や「難しそう」というイメージがあるようです。でも、そんなことはありません。

開発方法はウォーターフォールではなくスクラムですし、インフラはオンプレミスではなくクラウドです。

さきほどもお話ししたように、金融サービスは特殊なもののように感じるかもしれません。ですが、採用している技術スタックは一般的なWebサービスと変わらないです。特殊なものを使うことはありませんね。

sustenキャピタル・マネジメントが採用している技術スタック

特徴的なものを挙げるとすれば、Pyhtonを使用していることでしょうか。

採用情報を見た方から、「なぜ、バックエンドにPythonを使うのか?」と聞かれることがあります。

開発効率やコードベースの一貫性、チーム間のコラボレーションの観点からPythonによる実装で統一しています。

わたしたちのサービスで利用している投資アルゴリズムは、統計数理・機械学習の要素が強いです。そのため、エコシステムの充実した言語としてPythonを使って開発しています。

益子:1から10までを内製でフルスクラッチ開発しているので、開発範囲はとても広くてやれることがたくさんあります。エンジニアの方にとっては、おもしろい環境だと思います。

いまの状態を維持したままチームをスケールさせたい

――今後、エンジニアチームの目指していく姿を教えてください。

益子:現在のチームはとてもいい状態だと思っているので、この状態を維持したままスケールできたらと考えています。スクラム開発をはじめたことで、メンバーが自発的に物事を進めてくれるようになりました。チーム内で自発的に振り返りと改善をしていて、自己組織化が進んでいます。

役割はさらに広げていきたいですね。顧客向けサービス全体を担っているチームでもあるので、マーケティングや顧客サポートなど、開発以外にもできることを増やしたいと思っています。

中村:わたしも益子と同じで、チームをスケールさせていきたいです。現在はチームのキャパシティを見ながら最適化して進めていますが、開発したいものはたくさんあります。「SUSTEN」の機能も増やしたいですし、新規プロダクトも開発していきたいです。ただ、人数が少ないので、できないこともあります。とくにフロントエンドエンジニアが不足しているので、増やしていきたいです。

チームの雰囲気は非常にいいので、この状態でスケールできれば強い組織がつくれると思っています。

金融サービスには難しいイメージがどうしてもあるので、裾野を広げていきたいです。共感していただける方と一緒に働きたいですね。

(取材/文/撮影:川崎博則

― presented by paiza

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