2021年に第1子を出産し、子育てと仕事を両立している大谷さん。成長スピードを上げたい、エンジニア組織づくりに関わりたいと考え、2022年10月に株式会社RevComm(以下、RevComm)に入社しました。

現在はバックエンドエンジニアとしての仕事や、プロジェクトサブマネジャーやエンジニア組織づくりの取り組みにも積極的に参加しています。

そんな大谷さんに、子育てと仕事を両立するために実行している7ルールを聞きました。

大谷 紗良(おおたに さら)さん

バックエンドエンジニア/ プロジェクトサブマネジャー。
人事システムの受託開発、小売業界の内製システム開発を経験。また、エンジニア組織のための組織開発を推進。2022年10月に株式会社RevCommに入社。「MiiTel」の振り返り機能のバックエンド領域を中心に担当。

Rule1.「自分がしたくてしている仕事なんだ」ということを忘れない

産後の限られた時間のなかで仕事をするにあたって、「自分がしたくてしているんだ」と意識するようになりました。仕事に復帰してから、いっぱいいっぱいになってしまったときもあったんです。そのときに家族に対して、嫌な態度を取ってしまったこともあります。

「仕事をしてほしい」と家族から言われたわけではないのに、そういう態度を取るのは違うよなと思いました。そう思ってからは、「自分がしたくてしている仕事」だと忘れないようにしています。

小学生のころから実現したいと思っていることがあります。それは、自分がいなくなった未来にも、なにかをつないでいけるような仕事をすること。いまの仕事は、そのころから思い描いていた「したくてしている仕事」です。

RevCommは、「コミュニケーションを再発明し、人が人を想う社会を創る。」というミッションを掲げています。社会を創るといった大きなミッションが、まさに自分が小学生のころから実現したいと考えたことに近いと思います。これが入社した理由の1つです。

Rule2. こまめに振り返りをして自分の異常やぶれを検知する

こまめに振り返るために、書くことで自分のなかで整理します。そのために、KPT(Keep/Problem/Try)をアレンジしたオリジナルのフレームワーク「GNT(Good/Noise/Try)」を考えました。

このフレームワークでは、「振り返り」と「向き直り」がセットになっています。フレームワークに沿って入力していくことを、かれこれ4年ほど継続しています。

大谷さん考案のフレームワーク「GNT」のサンプル。Notionのテンプレートを配布しています。

事前にVisionを書いておいて、Goodにはポジティブな感情のきっかけを書きます。Noiseにはネガティブな感情につながったことや体調不良について書いて、Problem(問題)を見つけ出すんです。

Tryには純粋にやってみたい・わくわくすることを書いていき、実行することを決めます。

わたしは調子が悪くなってきたときに過去のGNTを読み返して、やってよかったこと(Try)を再度試します。再現性が高くて効果があるので、続けていてよかったと思いますね。

Rule3. 自分の食事時間と睡眠時間を確保する

自分のためにも子どものためにも、食事と睡眠は確保するようにしています。子どもがいると、子どものケアに意識を100%集中してしまいがちです。そうすると、どうしても自分の食事や睡眠がおそろかになってしまいます。ただ、こうしたことをおろそかにしてしまうと体調を崩して、結局は肝心の子どものケアができなくなってしまうんです。

時間を確保する工夫として、宅配で届くミールキットやUberEATSなどの便利なサービスを活用しています。あと、ロボット掃除機や乾燥機付き洗濯機といった便利な家電も活用しています。

仕事とプライベートの切り替えも大事です。家で仕事をしているのでオンとオフの切り替えは難しいのですが、わたしの場合は子どもとの時間が切り替えのスイッチになっています。子どもが保育園から帰ってきたら、その日になにをしたのかを聞きます。リフレッシュできると同時に、オフに切り替えられますね。

Rule4. 予定は早めに共有し、リアクションは早めに返す

会社にも家族にも、Googleカレンダーを使って予定を共有しています。わたしだけでなく、夫も家でリモートワークをしていることがあるので、大事な面接の予定などは事前に共有して静かな環境をつくるようにしていますね。

RevCommはコアタイムなしのフルフレックス制です。予定をしっかりと入力しておかないと、空いているところは会議などを入れてもいいという意思表示に受け取られます。なので、随時カレンダーのアップデートはするように意識しています。

会社全体がフルリモート勤務なので、コミュニケーションは基本的にSlackでのやり取りです。Slackは、できるだけこまめに確認するようにしています。すぐに返事ができなくても、「あとで確認します」と返したり、スタンプでリアクションしたりするだけでも相手の気持ちは違ってくると思います。

Slackには必要なやり取りだけを書くようになってしまいがちです。そこで、コミュニケーションを取るために雑談レベルでも書いていいスレッドをつくって、みんなで書き込んでいます。いま困っていることがわかりあえるので、意味のある取り組みだと思います。

Rule5. 仕事でも家庭でも自分がボトルネックにならないように工夫する

仕事も家庭のことも、わたし以外の人でもできるように工夫しています。子どもが急に熱を出してしまったときなどは、早めにチームのメンバーに連絡をしてヘルプを求めます。日ごろから情報共有することで、アラートをあげれば、誰かが巻き取れるような状態をつくることが大事です。

個人的になにか作業をしたときには、Notionにドキュメントを残すように気をつけています。なにをどこまでやったかがわかるようにしておけば、自分がボトルネックになりません。

体調が悪いときは、家庭でも早めにアラートをあげるようにしています。わたしと夫とである程度の役割は決まっているのですが、どちらかができないときはお互いにフォローしあっています。Rule3でお話ししたような便利なサービスや家電を活用することも、自分がボトルネックにならないための工夫の1つです。

Rule6. とにかく1個1個やる

なにかやらなくてはいけないことがある場合、タスクを分割するようにしています。仕事と家庭を両立しようとすると、どうしても同時進行で「あれもこれもやらなければ」と思ってしまいがちです。

でも自分の体は1つしかありません。とにかく1個1個を順番にやっていきます。そうすると1日の間に結構タスクが消化できるんです。

大谷さんの、ある1日の過ごし方。

勤務はフルフレックスなので、子どもが寝たあとに仕事をすることもあります。

仕事や家庭の時間だけではなく、勉強する時間も確保しないとキャッチアップが追いつかないと日々感じています。限られた時間のなかで学べることを増やしていかなければなりません。

会社の業務時間内に勉強会や輪読会があるので、それは非常にありがたいし大事だと思うのですが、それだけでは足りないので勉強する時間は必要です。

他社の方が開催しているエンジニア勉強会に参加することもあります。最近はオンライン開催の勉強会が増えているので、助かっています。

Rule7. 最後は覚悟を決めて、なにが起きても対処していこうと思い切ってやる

子どもが生まれる前や仕事に復帰する前にも不安はありました。でも自分がどうしたいかを考えたときに、やりたいことなんだから、なにが起きても対処していこうと思いました。

「できるかな?」じゃなくて「やる!」という感じですね。

性格的に、いろいろなことに参加できているほうが自分には合っていると思っています。子どもにも母としての自分だけでなく、仕事をしているときの自分を見てもらいたいですし、いろいろな場や選択肢があると感じてもらいたいです。

子どもが何かやりたいことを見つけたときに、サポートできるようにするためにも、仕事を頑張っていきたいです。

今後長期的な目線でやっていきたいこととして、少子高齢化の社会になにかしら貢献していきたいと考えています。RevCommとしても少子高齢化による労働人口不足に課題を感じていて、そのためにMiiTelで生産性の向上に貢献しようと取り組んでいます。

日本が好きなので、日本の文化が縮小したら寂しいんですよね。大きいことはできないかもしれませんが、自分にできる範囲でやれることを考えています。

(取材/文:川崎博則

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