※こちらの記事は「paiza開発日誌」に2021月9月3日に掲載した記事を加筆・修正したものです。

エンジニアは、転職がめずらしくない職業です。常に多くの求人が公開されていますし、実際に転職経験がある人や、現在転職活動をしている方も少なくないでしょう。

わたし自身、ITエンジニアの転職をサポートするpaizaで、長年転職やキャリアに関するお話を聞いてきました。

でも、当然ですがすべてのエンジニアが転職さえすれば今よりも幸せになれるかというと、そんなことはありません。

実際に、客観的な立場でお話を聞いていると、「今は転職しないほうがよいのでは……」と感じるようなエンジニアの方も一定数います。

そこで今回は、転職すべきでない人の特徴について解説します。

転職すべきでないエンジニアの特徴

転職にかかるコストやリスクをわかっていない


まず、現職を続けながら転職活動をするのは非常に大変です。

転職エージェントやpaizaのようなサービスも転職活動をサポートしますが、当然ながら職務経歴書は自分でつくらなければなりませんし、面接も自分一人で受けなければなりません。ほとんどの企業の選考は平日の勤務時間内に実施されるため、現職との調整も必要となります。

ときどき、やることの多さや大変さに驚く方もいますが、転職活動の本質的な部分は誰にも手伝ってもらえません。そんな大変な思いをして転職をしても、仕事内容や待遇など、必ずしもすべてが希望通りに改善された職場に転職できるわけではありません。

また未経験分野への転職を希望する場合は、年収が下がってしまうケースもめずらしくないのです。とくに家族がいる方の場合、予期せぬ年収ダウンなどが発生すると、生活を変えざるを得なくなります。現職でのポジションを失う転職は、自分だけの問題ではないと言えるでしょう。

まずは転職にかかるコストやリスクを把握したうえで、「それでも転職したい」と決断できるかどうかを考えてみましょう。

もちろんエンジニアの中には、一社目に応募した企業の選考がスムーズに進んで、トントン拍子に好条件の転職が決まる方もいます。ただ、そういう方は応募前から自分のキャリアについて考えていて、ふだんから情報収集ができている場合がほとんどです。

彼らは転職活動を始める前から準備ができているので、実際に応募を始めてからもスムーズに進みます。

今までキャリアや転職について考えたことがなかった方が、いきなり応募をして選考を受けても、同じようにスムーズに進むとは考えにくいでしょう。

他人や世間の影響で転職したくなった


もちろん、転職の目的を自分のキャリアプランに落とし込めていれば、転職のきっかけ自体は他人の影響でもよいでしょう。

ただ、以下のような考えや認識だけで、とりあえず転職を目指していないでしょうか。

  • 転職して楽しそうな同期や同級生に会った
  • 「転職はいいぞ」と聞いてうらやましくなった
  • 最近は入社3年以内に転職するのが当たり前らしい
  • 転職すればエンジニアとして成長できるらしい

他人がうらやましくなったり、世論に流されていたりするだけで、「転職で叶えたい目的」がはっきりしないうちの転職はオススメできません

転職に成功する方は、以下の点をはっきりさせたうえで企業選びをしています。

  • 自分にどんな経験やスキルがあるのか
  • どんな仕事ならその強みが生かせるのか
  • これからどんな仕事がしたいのか

これらがあいまいなまま「ただ転職がしたい」というだけで適当に企業を選んでしまうと、「転職先でも前職と同じ問題にぶつかった」「前職に戻りたい」といったことにもなりかねません。

改善努力をしたことがない


転職理由を考えたときに、「会社の環境が悪い、周りの人間が悪い(自分は悪くない)」といったネガティブな退職理由しか出てこない場合も要注意です。

もちろん、環境や周囲の人が原因で転職を考えることもあるでしょう。ただ「現職を辞めたい」だけでは、肝心の転職で叶えたいことも不明瞭のままです。

また、転職をすればそれだけであらゆる問題から逃げ出せるわけではありません。ちょっとした課題やトラブルから逃げてばかりでは、いつまでたっても解決策を身につけられず、転職先でも同じ原因で悩んでしまうケースが多くあります。

やりたいことがあると言いつつ具体的には何もしていない


たとえば、「ゲーム開発はまったくしたことないけど、今すぐ大手企業で超有名ゲームのエンジニアになりたい!」というのはほぼ不可能ですよね。

ここまで極端な人は少ないですが、希望ばかりが先に立って自分を客観視できない人はかなり多い印象です。

もちろん、未経験分野への転職が絶対に難しいわけではありません。

ただ、「やりたい」と「できる」は違います

中途の求人企業は、該当する業務を「やりたい」ではなく「できる」と言える人を求めています。

そして、この「できる」には、これまでの経験やスキル、自分で勉強してきた内容などの根拠が必要なのです。

本当にやりたいことがある場合、まず「できると言えるようになるにはどうすべきか?」を考えてみるとよいでしょう。

前述の例であれば、まずはゲーム開発の勉強を始めたり、企業規模を問わずゲーム開発企業への転職を目指したり、といったステップを踏んでいけば、いずれは夢に近づけるかもしれません。

それでも転職したい人はキャリアの棚卸しを


転職に興味がある人は、自分のスキルや経験を棚卸しして「今の自分は何ができるのか」「どんな価値があるか」を明らかにしてみましょう。

まずは、今までの業務経験や身につけてきたスキルをすべて書き出したうえで、以下のポイントに沿って分解していきます。

  • 本当はどんな仕事がしたいのか
  • そのためにはどんなスキルが必要なのか

そうすることで、今後のキャリアについて考えるヒントになります。

たとえば「今後はこんな仕事がしたいから、まずはこの分野の勉強をしてみよう」といった方向性が見つかれば、その方向に進んでいけばよいですし、人によっては「やはり転職すべきではないかも?」という考えに至ることもあるでしょう。

まとめ


転職を経験した人の中には、「思っていたのと違った」「前職のほうがよかった」と感じている人も少なからずいるでしょう。

前述の通り、転職自体リスクがつきものという側面もありますが、「よく考えずに転職してしまって後悔している人」も一定数いるのだろうなと思います。

わたしも複数回の転職経験があるので、転職自体に抵抗はありません。しかし、「転職しないで済むならそのほうがよいのでは」とも思っています。

やはり、何度経験しても転職活動って本当に大変です。そして、その大変な活動も、最終的な決断も、その後の仕事も、やってくれるのは自分しかいません。失敗したと思っても、誰も代わってはくれないのです。

しっかり考えたうえで「やっぱり転職はやめておこう」という結果にたどり着くのも、すばらしい選択なのではないでしょうか

わたし自身が転職を経験しているからこそ、転職せずに一つの会社でつらい仕事や壁にぶつかりながら何年も勤め続けている人は本当にすごいし、決して誰にでもできることではないと思っています。

(文:谷口智香

presented by paiza

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