ブログ飯という書籍(魔書)を出版してしまったが故に、一部の業界で「1億総フリーランス」推奨主義だと思われていますが、実はそんなことないんですよ。会社や組織で働くのも、チームプレーも大好きな染谷です!どうぞよろしくお願いします。
あまり知られていないのですが、僕の会社員時代は求人広告の営業&制作に始まり、新卒・中途採用、教育研修担当、そして労働組合の立ち上げなど、キャリアに関わる業務に10年ほど携わっていました。
というわけで、Tech Team Journalではこれまでそれほど取り扱ってこなかった「キャリア」をテーマに、連載形式で記事を投稿していこうと思います。
目次
人に自慢できるようなキャリアなんてないんですけど
転職の予定もないし、特に誰かに誇れるような経験もそれほどしてないし…という人は決して少なくありません。
実はそんな人にこそ、自分の価値を再認識していただきたいと思っています。それはなぜか。理由は3つあります。
- 社内の評価(査定)時に利用できる
- 自分の得意分野や苦手分野、好きなこと嫌いなことを認識できる
- 現在の環境がいつまでも安定して続くとは限らない
では一つ一つ解説していきますね。
社内の評価(査定)時に利用できる
自分より仕事できないのにアピール上手で昇給昇格する人っていますよね。僕も会社員時代は人事評価シートを書くのが苦手だったので、昇格スピードは亀よりも遅かった記憶があります。
人事担当なので他の社員のシートを目にする機会も多いのですが、「なんでコイツ、こんな評価シートの内容盛ってるんだよ、一緒に働いてるけどそんなことしてないだろ、この野郎」って常々思ってました。おっと心の声が漏れた。
僕の心の声は隅に置いておけば良いのですが、この記事を読んでいる皆さんには僕と同じ境遇や闇モードに陥ってもらいたくないので、実績を過不足なくアピールしていただきたいと願っています。
そこで重要なのが、仕事の内容や得たスキル、経験を定期的に棚卸ししておくことです。半年ごとにやってきたことを棚卸ししておけば、その内容を人事評価シートに記入すればOKです。期末にまとめてやろうとするから思い出せないし、面倒なんですよ。
もちろん成果は多少盛って提出しましょう。2倍にするのはやり過ぎですが、20%ぐらいは盛らないとアピールにならないのが社会ってもんです(闇モード)。
自分の得意分野や苦手分野、好きなこと嫌いなことを認識できる
2つ目の理由は自分自身を俯瞰で見られるということです。
棚卸しする内容は仕事内容だけではありません。読んだ本、行った場所・イベント、参加した勉強会、よく観た映画のジャンル、お手伝いしても苦にならなかった同僚の仕事、先延ばしにして結局やらなかった部屋のレイアウト変更などなど。
自分の私生活を振り返ることも立派な棚卸しです。この私生活の振り返りで分かることは、自分の好き嫌いや、得意分野、そしてやりたくないことです。
特に押さえておきたいのは、苦もなくできること、ちょっと努力すればできること(やってもいいと思ってること)、そして可能な限り先延ばししたいことです。
例えば僕の場合、実は文章を書くのはそれほど好きではありません。でも、それほど苦しむことなく数千字の文章であれば書けます。家電のセットアップもそうです。別に好んでやりたいわけじゃないんですが、家庭内で一番電化製品に詳しいのが僕なので消去法で担当になっているだけです。
実は文章を書くよりもExcelの計算式を構築している方が好きです。もっともっと好きなのはオンラインゲームのファイナルファンタジー14で、1日中プレイしていられます。
そして可能な限り先延ばししたいのが、部屋の片付けです。あと締切。締切は関係者に迷惑がかかるので、最近はできるだけ守ろうと努力しているのですが、片付けは誰に迷惑がかかるわけじゃないので、いつも必要なものに手が届く(僕にとっては)最適な配置になっています。
ちょっと書き出すだけでも、人間はいろいろな要素でできているのがわかります。この好き嫌い・得意不得意を認識しているだけで、仕事の進め方は大きく変わります。要は好きなことを積極的に引き受けて、苦手なことはできるだけ誰かにやってもらう工夫もできるということです。
「そんなバカな」と思われるかもしれませんが、好きなこと得意なことは人それぞれ違うので、補完できる関係性を社内外に作っておくことで、無理だと思っていたことも可能になります。
現在の環境がいつまでも安定して続くとは限らない
3つ目はちょっと縁起でもない話になるのですが、今の時代、東証一部に上場して最高益を叩き出した会社が、翌年に巨額の赤字を出して倒産しかけたところを親会社に救ってもらうことも珍しくないんですよ。そう、僕が勤務していた会社です。
会社が倒産した、業績が悪くて給与が下がったなど、悪いことが起きてから慌てても良いことはありません。まだ調子が良いうちに準備をしておくことが大切です。
会社員に限らず、フリーランスの場合はどこに仕事のキッカケが転がっているかわかりません。準備しておけば後悔する前に、自分のスキルや実績がひと目で分かるシート(ポートフォリオ)を作っておくことを強くお勧めします。
ポートフォリオとは、簡単に言うとあなたの実績や力量がわかる作品・実績集を指します。デザイナーやクリエイター、エンジニア職の応募時の提出書類になっていることも少なくありません。最近ではライターでも記名記事などをポートフォリオとしてPRポイントにする人もいます。
「転ばぬ先の杖」「備えあれば憂いなし」と昔の人はよく言ったものです。一方、「弱り目に祟り目」「泣きっ面に蜂」という諺もあります。状況が悪くなっているときの選択は焦りや目の曇りが発生しているので、失敗に繋がりやすくなるものです。
先ほども書きましたが、調子の良いときに少し準備をしておくだけで、リスクは大きく減らせます。
キャリアの棚卸しをしよう
キャリアの棚卸しをしましょうと言って「はいそうですね」と、粛々と自分の経験を洗い出せる人は少数です。でもやり方さえ知ってしまえば難しいことではありません。
ではその方法を紹介します!と言いたいところなんですが、前置きが長くなりすぎたので、本題のはずだった棚卸しの方法は次回の記事で詳しく解説していきます、ごめんね。
(文:染谷 昌利)