自分は「普通の人」だと思っていたり、「あの人すごいな!」と思える人と自分との差を感じ、劣等感を持っていたりする人も多いんじゃないかと思います。
いわゆる「できる人」や、オリジナリティを確立している人と自分は、何が違うのか。
フリーランスとして現在まで13年間、他者との差別化を考え、明確に言語化することで自分の強みを洗い出した、ブランディングを確立していく方法をご紹介します。
目次
「この人すごいな」と思う人のすごいポイントを書き出す
いざ「自分の強みになるセールスポイントは何か」と聞かれても、即答できない方が多いと思います。
そこでまず最初は、「この人すごいな!」と思う人の「すごいポイント」を言語化して、一語ずつ書き出していきましょう。良いと思うところ、気になるところなど、その一語一語の羅列を見ただけで、他者がその人だとわかるくらいに徹底的に書いてみます。
カメラマンの視点で例えると、好きな写真に対してなぜその写真を良いと思ったのか、徹底的に言語化して書き出すのと一緒です。なんとなく良いな、すごいなと思ってた部分が、言葉に表れて明確になります。
言語化することにより、その人やその写真の魅力、セールスポイントを見つけ出す練習になります。
自分のできることを言語化して書き出す
次は自分に置き換えてやってみましょう。
いきなり自分の良いところを言葉にして書き出すのは難しいと思うので、できることや得意なこと、他者がやってなさそうなことなど、さまざまなキーワードを15〜30個ほど書き出してみてください(カメラマンであれば先ほどと同様に、自分の写真を見て良いところを言語化したり、仲のいい友人に見てもらうのも方法の一つ)。
この書き出した文言のうち1つだけだと、他者と比較したときに「まだ厳しい」と感じるところはあるかもしれません。ですが、3〜5個を組み合わせてみるとどうでしょうか。1つだけでは難しいかもしれませんが、3〜5つの言葉を組み合わせると、他者と差別化した「自分だけの強み」が生み出されると思います。
この自分だけの強みがセールスポイントです。自分という商品に付加価値がつけられ、武器となります。仕事をお願いしたい人材になれるように、強みを強化していきましょう。
また、自分で自分の良いところを認識することで、仕事もしやすくなったり、自分に自信が持てるようになったりもすると思うのです。
「やりたいこと=相手が望んでいること」にするブランディング戦略
独自性や他者との差別化ができれば、あとはそれを必要としている人や会社に向けて売り込んでいきます。その方法は、ポートフォリオサイトやSNSであったり、直接営業をしにいったりとさまざまでしょう。
購買心理学に「AISASの法則」と呼ばれる、消費者の購買行動モデルがあります。
- Attention(認知・注意)
- Interest(興味関心)
- Search(検索)
- Action(行動)
- Share(共有)
まずは、自分という商品を人に知ってもらうこと(Attention)。
言語化した自分の武器に興味関心を示してもらえれば、あとは実際に仕事に繋がるのを待ちます。ポートフォリオを作ったり、SNSなどで情報発信をしていれば、興味を持った相手が調べてくれるでしょう(Serch)。
何度かご縁があっても仕事に繋がらなかった場合は、もう一度強みを見直し、強化します。
ポイントは、相手であるクライアントさんが欲しい人物像に、自分ができるセールスポイントを当てはめることです。
Actionは実際の仕事に対応する部分。可能であれば、自分がどんな仕事をしているのかを共有します(Share)。
この5つのステップを繰り返していると、「なんだか面白そうなことをやっている人だな」と新しい人との繋がりが増えていくでしょう。また、実績が重なっていくことで、自分自身のブランディング構築にもなります。
自分に価格をつける
あらかじめ相場が決まっている仕事もあれば、同じ仕事でもクライアントさんによって価格が違うこともあるでしょう。時には「5000円でやってください」「1万円でお願いします」みたいな話もあると思うのです。
自分の仕事に対する価格付けに迷ったときは、「実働」だけではなく「付随して発生するすべての稼働時間」を算出し、時給換算してみましょう。
たとえば撮影案件であれば、撮影以外に現像やレタッチといった作業が発生します。そもそも、積み重ねた経験値や学んだ知識がなければ撮れない写真もあるかもしれません。
キャリアを積んだ方であれば、価格相場よりも高くなってしまう関係で生活できなくなる可能性も考えられます。「月にいくらの報酬を得たいのか」「月にいくらあれば生活を担保できるのか」を軸に、自分の仕事に対する価格付けをしましょう。
自身の付加価値を向上させる努力をすることで、価格競争にも負けない自分が作れます。少しでも参考になれば幸いです。
(文:つるたま)