出版社でカメラマンのキャリアをスタートし、その後独立して15年が経過しました。紆余曲折ありながらも、幸い仕事の受注が続いており、振り返るといくつか欠かさず実践していることがあると気付きました。
カメラマンのキャリアを考えている方はもちろん、仕事における評価に悩んでいる方、フリーランスで悩んでいる方にも気付きを与えられたらと思い、私の7ルールを紹介していきます。
目次
Rule1:自分を知ってもらうためのポートフォリオサイトを作る
フリーになった際カメラマンとして活動を始めるために、撮影した写真や仕事実績を掲載し自己PRするポートフォリオサイトを作りました。
上記は今まで試したことがあるWebデザインの知識やテクニックがなくてもレイアウトなどを選ぶだけで作れるテンプレート型のサービス。
簡単にポートフォリオサイトが作成でき、かつ使用率も高いのが上記の3つです。またはGoogleスライドなどに、これまでに撮った写真を掲載できます。
掲載したい写真の枚数が多い場合、ジャンルごとなどに小分けにして見やすくすることがポイントにこれまで作成しています。
その他に、撮影料やプロフィール、簡単な実績、クライアントさんにとって魅力的に映りそうな写真などを載せておくと効果的です。
Rule2:仕事の探し方の近道は「人との繋がり」
求人サイトにもカメラマン募集などはありますが、もっとも多い仕事の受注はSNSや知り合いからの紹介です。
SNSに撮影実績である写真を掲載しているうちに、仕事の依頼を受け、その繋がりからまた違う仕事を紹介されたりと、人との信頼や関係値によって紹介の輪が広がりました。
SNSでの発言やブランディングの方向性などに気をつけるとともに、日頃から気になっている会社の方と繋がっておくと、雑談が思わぬ仕事に繋がることも。SNSはぜひ活用したいツールのひとつです。
Rule3:情報が開示されている場合は事前リサーチ
仕事を受注したら、当日までに行いたいのが「事前リサーチ」。まずは、クライアントさんがどのようなイメージの写真を、どのくらいのカットを必要としているのかなど、掲載先のメディアや過去の写真使用事例などを見て調べます。
取材を受ける人や撮影先についても、可能な限り調べます。過去にどのような内容の取材を受けている人なのかを分析した上で、撮影イメージの必要カット+予備候補を考え、クライアントさんと擦り合わせを行うことで丁寧な印象を心がけています(クライアントさんによっては、当日早めに待ち合わせて、その場で軽い擦り合わせを行う場合もあります)。
事前リサーチをすることで、前もって撮影イメージを考えることができ、当日の撮影を円滑に進められます。
好みのイメージに近い写真をPinterestで探して共有すれば、撮影に慣れていない人でもポーズを真似すればできるので、スムーズに撮影が進みます。撮影に必要な機材(カメラやレンズ、照明や予備バッテリー・カード)などの準備や確認も事前に忘れずに行ってきました。
Rule4:撮影現場ではロケハンする
屋外の撮影であれば、集合時間の15〜30分前には現場に行き、撮影に使える場所がないか、日差しの向きや陰影などアクセントになる要素はないかを探します。
施設内の撮影であれば、取材場所に案内される間に周りを見ながら当たりをつけたり、可能であれば5〜10分程度ロケハンをして、撮影に最適な場所を見つけ撮影してきました。クライアントさんから「ここで撮ってほしい」など要望があることもあります。
Rule5:写真に5W1Hを入れる
実際に撮影する際はできるかぎり、5W1Hである「When:いつ」「Where:どこで」「Who:だれが」「What:何を」「Why:なぜ」「How:どのように」を汲み取れる写真になるよう意識を持つと、メッセージ性の伴った写真になります。
インタビューやイベント取材などの際は、先に担当者やインタビュイーの方に話を聞くことをおすすめします。5W1Hのどの部分を強調するのか、写真の主題と副題はそれぞれどうするかなど、優先順位のヒントが出てくる場合も。自由に選べる場合には、お話を伺いつつキーポイントになる5W1Hの撮影を心がけてきました。
Rule6:現像納品はなるべく即日短期で終わらせる
「納品は急がなくてもいいですよ」とクライアントさんから言っていただけるケースがあります。あまり早く渡されても、使用するのは先になってしまう、というのがクライアントさん側の理由です。
ただ納品はせずとも、写真のセレクトや現像、レタッチなどは、撮影当日〜翌日には終わらせる意識作りが大事だと考えています。
その理由は、別案件で急な問い合わせが入り、予定していたスケジュールがずれてしまうことがあるからです。
また間違ってデータを消してしまったり、メモリーカードのエラーで気づかないうちに一部の写真が消失するなど、撮り直しが必要なトラブルが起こることも。いち早く対応するためにも、余裕を持ったスケジュール設定が大切です。
写真のセレクトや現像、レタッチだけでも先に済ませておけば、気持ちにも余裕が生まれ、思ったより工程に時間がかかってしまっても、慌てずに対応できました。
また、仕事が早いことで信頼を得ることもできますので、意識的に実践してます。
Rule7:掲載された写真はお仕事履歴として拡散(紹介)
撮影した写真がメディアで掲載されたり、モデルさんがツイートしたりしたタイミングで、拡散やRTなどを行います。
どんな仕事をしていて、どんな写真を撮る人なのか、将来のクライアントさんが見ている場合もあります。実際に、仕事を依頼する前にSNSなどをチェックすることも多いので、最新のお仕事を紹介するのは今後のためにとても大事なことです。
仕事や問い合わせなどのレスポンスの速さや、普段からつながっている信頼感、また写真の中に映り込む情報を整理することや、仕事内容についてポートフォリオなどでわかりやすく紹介できることが、長年仕事を続けられているポイントだと感じております。少しでも参考になれば幸いです。
(文:つるたま)