
「まずは御社の意見を聞かせていただけないでしょうか。」
複数のITベンダーが参画するエンタープライズ企業の大規模案件。その打ち合わせの中でIT責任者から真っ先に頼りにされるクラウドインテグレーターが株式会社サーバーワークス(以下、サーバーワークス)だ。
世界で10万を超えるAWSのパートナーのうち、最上位パートナーとされる「AWS プレミアティアサービスパートナー」に2014年から継続して認定されている同社は、AWSの専門家が多く在籍し、AWS AmbassadorsやAWS Top Engineersを数多く輩出してきた。
サーバーワークスでプロジェクトマネージャーとして活躍してきた矢野 喬亮さんと大穂 宗一郎さんに、同社のプロジェクトマネージメントの特徴と魅力を聞いた。
矢野 喬亮さん プロフィール
株式会社サーバーワークス カスタマーサクセス本部 CS4課。インフラ構築・運用エンジニアとして従事する中で、AWSをはじめとするクラウドが働きやすい世界に繋がっていると強く感じ、2020年にサーバーワークスに入社。 大小様々な案件のリーダー、又はそのサポートを担当しながら、趣味のウクレレ弾き語りとAWSメディアサービスを駆使して社内ライブ配信を行うなど、公私ともにAWSに浸るスタイルを楽しんでいる。 好きなAWSサービスはメディアサービス全般、とくにElemental MediaLive。
大穂 宗一郎さん プロフィール
株式会社サーバーワークス 採用育成部。2021年に文系・IT未経験でサーバーワークスに新卒入社し、研修修了後にエンジニアとしてキャリアをスタート。複数の小規模案件のプロジェクトマネージャーを経験したのち、入社3年目でエンタープライズ企業の伴走支援プロジェクトマネージャーに着任。課題解決やコスト削減、CCoE支援を通してお客様のビジネスの向上に貢献。
現在は採用育成部に異動し。今後サーバーワークスを担う人材の採用と育成に従事している。好きなAWSサービスはTransit Gateway。
目次
AWS専業だから提供できる、高い専門性
「私自身、お客様との打ち合わせの中で『サーバーワークスさんはこの件をどう考えますか?サーバーワークスさんであればどうしますか?』と意見を求められるシーンを何度も経験してきました。」(矢野)
ニーズが拡大し続けるクラウド市場において、導入実績1,380社、案件実績23,130件と多くの実績を積み重ねてきたサーバーワークス。
AWS専業のクラウドインテグレーターとしての高い専門性を武器に、クラウド戦略のコンサルティング、導入支援からクラウド移行後の運用、そして顧客の事業成長に合わせたクラウド活用の最適化(モダナイゼーション)までをワンストップで提供でき、顧客のニーズに対して幅広く対応できる強みがある。

「当社が提供するサービスは、Amazon EC2を1台使う小規模なものから、AWS Organizationsを使ったマルチアカウント環境の設計構築を含む大規模なものまで様々です。構築以外にも、要件定義やガイドラインの作成など、構築につなげるための支援もしており、様々なプロジェクトに対応しています」(矢野)
このサービス範囲を特定の業界業種に絞って提供しているわけではない点も驚きだ。
「AWS専業唯一の上場企業ということもありエンタープライズのお客様からご支持をいただくことが多いのですが、業界・業種、案件規模の大小に関わらず多くの実績があります。私がこれまでに担当したプロジェクトだけでも、製造や化学、さらにはエンタメまで、様々な業種のお客様を支援してきました。」(矢野)
これだけ幅広いサービスを業界を限定せずに提供し続けられる秘けつはなんだろうか。
「ITは進化の速度が速いと言われていますが、特にクラウド、AWSにおいてはなんと年間で数千ものアップデートがあるんです。AWS専業だからこそ弊社ではこのアップデートをスピーディにキャッチアップして、お客様に最新の技術を提案することができています。これがお客様から信頼を勝ち取る上で非常に重要なファクターだと感じています。」(矢野)
サーバーワークスには他のクラウドインテグレーターとは違い、技術力だけではなく、顧客の経営戦略を見据えた提案力も併せ持っている点が強みだと大穂さんは話す。

「導入支援ではお客様から求められた構成をそのままつくることも大事ですが、その後お客様内でAWSの利用は拡大していくケースがほとんどです。そのため、お客様の将来のビジネス、事業展開を見据えたうえで構成や環境を構築することが重要になります。このように、その場限りのクラウドインテグレーションをゴールにせず、お客様のビジネスに伴走しながら支援していくのが当社の特徴であり強みです。私たちはこれを『クラウドシェルパ』というサービスブランドで提供しています。」(大穂)

全員が成果を上げられる人材に成長できる環境
こうした強みを長年にわたって発揮し続けるには、人材の成長が欠かせない。そのため企業文化がサーバーワークスにはある。
「サーバーワークスの行動指針の中に『成果』というものがあるのですが、私たちが目指しているのは、組織のメンバー全員が同じような『成果』を上げられる状態です。だからこそ、知見の蓄積をし、それを仕組化している人材、Know-How(どうやるか)だけでなくKnow-Why(なぜやるか)までアウトプットできる人材が高く評価されます。」(矢野)
このような企業文化のもとにアウトプットされた情報が、人材の成長に大きく寄与しているという。
「さきほど述べたAWSのアップデートの検証結果や、これまでの案件で得られた知見、様々な業界情報が、ブログ/ドキュメント/勉強会の動画などの形で多数残っています。また弊社はSlackでのチャットコミュニケーションに対する心理障壁が非常に低く、わからないことをなんでも聞けるチャンネルで盛んにやりとりがなされています。私のように経験の浅いメンバーでも早期に情報をキャッチアップし、お客様に対して先輩社員と同様質の高い支援ができる体制が整っているんです。」(大穂)
また、サーバーワークスはフロービジネスが10%、ストックビジネスが90%という売上構成になっており、このビジネスモデルも人材が成長できる環境に繋がっている。

「弊社はリセールやMSP・SREなどのストックビジネスで利益を得られているため、他の会社が引き受けないような比較的小規模なクラウドインテグレーション案件(フロー案件)にも積極的に取り組んでいます。小規模案件は若手やこれからプロジェクトマネージャーを目指すメンバーでも挑戦がしやすく、早くから実践経験を得ることができるんです。」(大穂)
小規模案件にアサインされるのは3人以下、期間は3か月以下のものが多い。若手がメインとなりプロジェクトを進めていくことも多く、これにより実践経験を積み、成長が加速するという。
「小規模案件で経験を積むことで、他社と比較して早い段階から大規模案件のプロジェクトマネージメントに挑戦することができます。私も新卒入社3年目で大規模案件を任せていただくことができ、8人のメンバーと一緒に1年間プロジェクトを推進しました。」(大穂)
具体的にはどのようなプロジェクトがあるのだろうか。矢野さんが進めてきた特徴的なプロジェクトとして、タイガー魔法瓶株式会社の事例(https://www.serverworks.co.jp/case/tiger.html)を紹介してもらった。
「タイガー魔法瓶さまのプロジェクトは、ネットワーク構成の状況や限られた期間の中での対応があり難易度の高いものでした。メインメンバー3名、サポートメンバー2名の体制でしたが、メインメンバーのうち私を除いた2名が20代の若手でした。彼らは当初、お客様とのコミュニケーションやプロジェクトの進行に不慣れな面もありましたが、工程管理や技術面で熟練のメンバーがサポートとして入ることで安心して取り組むことができていたと2人からフィードバックを貰いました。若手が挑戦しながら、着実にプロジェクトを進められた、非常にサーバーワークスらしい事例と言えます。」(矢野)
この事例では、顧客の課題として、オンプレミス環境のAWSへの移行に向けた環境整備や、シングルアカウントによる誤操作のリスクや複雑な権限管理があった。支援の結果、AWSへの完全移行に向けてAWS Organizationsでマルチアカウント環境を構築し、AWS環境のガバナンスやセキュリティの強化などが実現。プロジェクトの成功と同時に、社内の若手が成長する機会となった。
働きやすさと成果を両立するための工夫

サーバーワークスでは、ビジョンである「クラウドで、世界を、もっと、はたらきやすく」を社員自らが実践し、働きやすい環境を自分たちでつくっているという。働きやすさを維持しながら成果を出すためにプロジェクトマネージャーが意識していることは何か。
「まず大前提として、お客様から『サーバーワークスに任せてよかった』と思っていただけるように進めることを一番に意識しています。そのためにはプロジェクトメンバーが成果を出すことに集中できる環境を整備すること、そして成長を実感してこの先もより高い価値を発揮していけるようにタスクの割り振りを設計しています。自分がやるべき仕事と、この仕事を通してどう成長するかを明確に理解してもらうために、プロジェクト開始前には全員を集めてアサインの背景を説明するようにしています。」(矢野)
昨今では出社回帰の動きを見せる企業が増えているが、サーバーワークスでは生産性の高い働き方を社員自らが選択している。出社もリモートワークも選択できる環境だ。リモートワークにはコミュニケーションにおける課題がつきものだが、サーバーワークスではどのように克服しているのだろうか。

「基本的にはリモートワークのメンバーが多いです。私自身も年に数回しか出社しません。弊社では新型コロナウイルス感染症が流行する以前からリモートワークを取り入れていたため、社内のほとんどのコミュニケーションがリモートワークでも問題なく進められるような仕組みができていますが、それでもテキストのやり取りだけだと相手がなにを考えているのか、実際にどのように作業を進めているのかがわからなくなることもあります。この課題を解消するために『Slack上でのやり取りで2回伝わらなかったらオンライン会議に切り替える』という文化が浸透していて、齟齬が起きていると感じたらすぐにGoogle MeetやSlackのハドルミーティングを使って会話をし、業務スピードが落ちないように全員が意識をしています。」(矢野)
プロジェクトマネージャーとして新しいキャリアを築ける

「サーバーワークスのプロジェクトマネージメントの魅力は、専門性の高いプロフェッショナルとしてのキャリアを築けることだと思っています。複数のステークホルダーの要望に応えるためにあくせくするのではなく、AWSの専門家として裁量権を与えられ、お客様から頼りにされる、それを多方面の業界や様々な性質の案件で体験することができる。自分の仕事に誇りを持てると思います。」(矢野)
矢野さんはサーバーワークスのプロジェクトマネージャーを経験することで新しいキャリアを切り開けるのではないかと考えている。
「弊社では、プロジェクトマネージャーは役職ではなく役割なのです。これからプロジェクトマネージャーとしてのスキルを高めていきたい人にとって多く機会があることはもちろんですし、顧客対応ばかりで技術から離れてしまっていると感じている方も『この案件はプロジェクトマネージャーとして、この案件はテックリードとして』など、キャリア構築にオーナーシップを発揮することができます。」(矢野)
最後にふたりへ、今後実現したいと考えていることを聞いた。
「プロジェクトマネージメントを担うメンバーを増やしていくことを自身のミッションとしています。若手やサーバーワークスの働き方に慣れていない中途入社のメンバーをサポートすることで成長をうながして、会社の底上げに貢献したいと思っています。また一方で、これまでプロジェクトの前線に立って活躍してきた人材で、今後は私のようにサポート役に回って後進育成をしていきたいと考えているメンバーへの機会提供もしていきたいと思っています。まだまだこの会社でやりたいことが多くあり、モチベーション高く働けていますね。」(矢野)
「より大きな成果を挙げられるプロジェクトへの挑戦を、継続的に続けていきたいです。私と同じようにプロジェクトマネージャーに挑戦したいメンバーは多くいるので、そういった人たちのフォローもしていきたいと思っています。サーバーワークスには機会が多く、オーナーシップを意識して行動さえすれば挑戦できる環境があります。その後押しと成長支援をしていければと思います。」(大穂)
ビジョンである「クラウドで、世界を、もっと、はたらきやすく。」を実現するため、サーバーワークスでは、新しい働き方を生み出し、世の中をアップデートしていく。
(取材:川崎博則)
