とある後輩のWebディレクターに聞かれたことがあります。「Webディレクターにとって大切なものってなんですか?」と。
・チームを一つにまとめるためのリーダー力
・いくつもの案件を同時にこなすタスク管理力
・チームの結束とモチベーションを高めるコミュニケーション能力
・起こりえる障害を予知するリスクマネジメント能力
いろいろ思いつきはしますけど、一番大切なのは「常に一定のパフォーマンスを維持し続けられる自己管理能力」かなと思います。
そこで今回は、Webディレクターにとってパフォーマンスの維持が重要な理由と、そのために私が実践していることについてお話しします。
目次
ディレクターが手と足を止めてはいけない理由

Webディレクターの仕事は、プロジェクトがスムーズに進行するように管理調整することです。それだけではありませんが、進行管理は大きな役割のひとつです。
理想的なプロジェクトの進め方は、急発進や急ブレーキを繰り返すものではなく、あらかじめ整えたスケジュールに沿って一定の流れで進んでいくこと。
時計のようなものですね。ディレクターは潤滑油であり、時計が一定の間隔で時間を刻み続けられるように、各所に働きかけます。
■ディレクターの手が止まると悪影響が出る
そのためディレクターがいなくなってしまえば、プロジェクト全体の進行に影響が出てしまいます。
もちろんすぐにストップはしません。各メンバーが自分の役割をこなすことで歯車は回り続けるので、プロジェクトが完全に停止することはありません。
しかしディレクターという潤滑油のない状態が続いてしまえば、歯車同士の連携が噛み合わなくなり、プロジェクトにほころびが出ます。
■ディレクターが張り切りすぎてもよい影響はない
逆に、ディレクターが120%のパフォーマンスを出せばプロジェクトのスピードも上がるかといえば、そうではありません。
「今日は調子がよくて、仕事がとても捗る。ワイヤーフレームをバリバリに書けた!」という日があったとしても、うれしいのはディレクター本人だけで、プロジェクト全体からみるとそこまでよい状況とはいえません。
Webディレクターの仕事は、基本的に自分だけで完結しないものばかり。作ったワイヤーフレームは、クライアントの確認や、デザイナーへの引き渡しが必要です。
言い方を悪くすれば、ディレクターが頑張った分だけ、誰かがそのしわ寄せにあうのです。
大量のタスクが個人に集中しても処理が追いつきません。個々人でさばける仕事量は限られているのですから、案件が早く進むわけでも、スケジュールを巻き取れるわけでもないんです。
■ディレクターの常に一定であるのが望ましい
Webディレクターは、常に一定のパフォーマンスで保つことが大切です。リズムや調子に波があってはいけない。落ちるのもよくないですが、上がりすぎるのもよくないのです。
100%を出し続ければ体や心に無理が生じます。なので私は60%〜80%を常に維持できるのが理想的だとしています。
Webディレクターって不健康なイメージがあるみたいです。それはたしかに、あながち間違っているとはいえなさそう。私の周りのディレクターも見回しても「バリバリ健康です!」と、バイタリティに溢れている人って珍しい印象があります。
かくいう私も、寝る間も惜しんで仕事することもしばしば。仕事が立て込んでいれば、徹夜することだってあります。おそらくどんな職業でもいえることですが、Webディレクターも例外ではありません。
しかしそんな職業だからこそ「健康」こそがもっとも重要な素養だと感じます。
心も体も、常に健康を維持し続けられること。何か調子が悪いときはいち早く察知して、適切に対処できること。こうした「自己の健康マネジメント」こそが、Webディレクターでもっとも重要なスキルだと思います。
パフォーマンスを維持するために行っていること

パフォーマンスを維持するためには、自身の健康をきちんと管理することが大切。そのために私が気を配っているポイントをいくつかご紹介します。
医学的な根拠などはとくにありませんが、私自身の経験として効果があると感じているものです。ご参考になれば幸いです。
■昼寝で寝不足を解消する
寝溜めはできないので寝不足を適度に解消するように心がけます。前日の夜にがんばった分は、次の昼間に少しでも仮眠を取って取り返すようにします。
■自分の違和感を敏感に感じ取る
自分の体調が下降しそうだという兆候を見逃さず、早めに対策を講じるようにします。体調が悪くなってからでは遅いので、未然に持ち直すように努力します。
■体調を取り戻すための方法を決めておく
違和感を覚えたときに、どのような対処をするかをあらかじめ決めておくのがオススメです。たとえば私は、以下のような対策を取ります。
・水分を取る
・塩分を取る(塩を舐める)
・三首を温めるためにネックウォーマー・レッグウォーマーを装着する
・仮眠を取る
・ハチミツ・梅干しドリンクを飲む
・ビタミン系のサプリを飲む
・ホットアイマスクで目を休める
■健康的な食事を心がける
普段から素材に近いものを食べるようにしています。逆に添加物が多い食べ物・加工品などはなるべく避けます。飲み物も基本的には水しか飲みません。
■適度な運動を取り入れる
定期的に運動をするようにしています。一時期はジムに通ったりもしていましたが、今はもっぱら自宅にて自重トレーニングを行うようにしています。
最後に

しかし、どれだけの予防や対策を行っても、維持しつづけるのが難しいときもあります。人間ですから、それは仕方のないこと。
大切なのは、そのときの全力を出す姿勢だと思います。
私が大好きなイチロー選手は、「熱量が日によって変わってしまう」という悩みに対して以下のように答えていました。
それは当然。人間だから体調、気分がある。いつだって100%というわけにはいかない。それはメジャーで活躍している選手も同じ。
そこで僕は必ず『今日は半分しか出せないのなら、100%には遠く及ばないかもしれないけれど、50%の100%をだせよ』と伝えます。
ほんのちょっとでいいから頑張ってみる。その日の自分のできるだけをやってみる。
今日やりたくないけど、でも自分なりに頑張った。それを繰り返すことが大事だと思うね。
―UNIQLO ユニクロ|イチローさんが答える篇#2「がんばれない日があるみんなへ」より抜粋
また、自分ひとりで抱え込まないのも重要です。Webディレクターは独りで仕事をしているわけではありません。
クライアントも含め、同じ目的やゴールを達成しようと努力するチームであり、そこには仲間がいます。抱えきれないものがあれば、それを素直に相談できる相手がいることを忘れないでください。
(文:ばんか(bamka))
