「コミュニケーションを再発明し、人が人を想う社会を創る。」をミッションに掲げる株式会社RevComm(以下、RevComm)。

RevCommは2017年に創業された、音声技術とAIによってコミュニケーション課題の解決を進めているスタートアップです。

ビジネスにおける会話の可視化とセルフコーチング、生産性向上を実現する音声解析AI電話「MiiTel」、AI搭載オンライン会議解析ツール「MiiTel Meetings」、オフライン(対面)の商談を可視化する「MiiTel RecPod(α版)」を提供しています。

日本だけではなく世界的にも注目されており、2023年4月にはアジア企業で唯一、米国「Forbes AI 50 2023」に選出されています。エンジニアに対する外国籍メンバーの比率が2割を超え、11か国のエンジニアが活躍しており、組織のグローバル化が進んでいる会社です。

RevCommでエンジニア組織づくりに携わる瀬里さんと大谷さんに、組織づくりについてお話を聞きました。

瀬里 俊行(せり としゆき)さん

執行役員 シニア エンジニアリング マネジャー。
Infosys Technologies Ltd、あずさ監査法人などを経て独立。Web制作会社を立ち上げ個人から大手上場企業までの数多くのWebサイトやシステムに携わる。事業譲渡後、複数の企業に技術顧問として関与。NPOへの技術支援も積極的におこなう。2018年12月にRevComm参画。

大谷 紗良(おおたに さら)さん

バックエンドエンジニア/ プロジェクトサブマネジャー。
人事システムの受託開発、小売業界の内製システム開発を経験。また、エンジニア組織のための組織開発を推進。2022年10月に株式会社RevCommに入社。「MiiTel」の振り返り機能のバックエンド領域を中心に担当。

社員数が4年で16倍以上に増加

――おふたりは普段、どのような業務をされているのでしょうか?

瀬里さん(以下、瀬里):執行役員兼シニアエンジニアリングマネジャーとして、エンジニアの組織づくりをしています。普段は、エンジニアの採用や外部発信に関する施策を主におこなっています。

株式会社RevComm 執行役員 / シニアエンジニアリングマネジャー 瀬里さん

大谷さん(以下、大谷):エンジニアとして自社プロダクト「MiiTel」の振り返り機能のバックエンド開発や、一部プロジェクトのサブマネジャーをしています。あとは、エンジニアの組織開発に関わる取り組みにもいくつか参加しています。

株式会社RevComm バックエンドエンジニア/ プロジェクトサブマネジャー 大谷さん

――大谷さんは2022年10月の入社ですね。なぜRevCommに転職しようと思ったのでしょうか?

大谷:転職を考えたのは、成長スピードを上げたいと思ったからです。自分の限られた時間を密度の濃いものにしていきたいと思っていて、さまざまな会社からお話を聞きました。

その際に軸としたのが、以前から興味を持っていた組織づくりに携わることです。会社が急拡大しているときには、組織の問題がいろいろと出てきますが、それを考えるのがおもしろいと思っています。RevCommはまさにそのタイミングでした。

組織の形とシステム設計には、相関関係があると言われています。どちらかだけではなく両方を考えて、一番いい形はなにかを会話していけるチームや会社になるといいなと思います。

社員数は毎年急増。2023年には200人を突破。

11か国・20名以上のグローバル人材を採用。多国籍なエンジニア組織

――2023年5月に社員数が200人を突破しています。現在、エンジニアは何名くらい在籍しているのか教えてください。

瀬里:エンジニアが所属するチームには、テクノロジーチームとリサーチチームがあり、合計で約100名が在籍しています。

2022年11月からグローバル人材の採用活動をはじめて、現在11か国・20名を超える外国籍エンジニアを採用しています。アジアをはじめ、メキシコやスイスなどさまざまな国から採用しています。グローバル人材は日本語を話せる必要はなく、英語が話せればOKです。やり取りは英語でおこないます。

――グローバル化が進んでいるんですね。日本で採用する方も、英語を話せることが必須になっているのでしょうか?

瀬里:いえ、必須ではありません。基本的にやり取りはSlack上でのテキストコミュニケーションとなるので、翻訳ツールを使えば困りません。最近だとChatGPTを使えば、とても滑らかな英語に変換してくれます。

1on1を毎週おこない、安心感を高める

――御社は創業時からフルリモート勤務と聞きました。オフィスに出社している人は、どれくらいいるのでしょうか?

大谷:出社しているのは5名くらいしかいません。

瀬里:コロナ禍に入る前からフルリモート・フルフレックスでしたが、コロナ禍に入ってから出社する人はさらに減りましたね。オフィスも縮小しました。

――フルリモート勤務だと、コミュニケーションの機会が減ると思います。なにか工夫されていることがあれば教えてください。

大谷:1on1を頻繁におこなっています。評価者である上司と週1回、バックエンド全体のリーダーと2か月に1回、部署全体を見ているマネジャーとも月に1回の1on1をおこなっています。

業務が立て込んでいると1on1をスキップしてしまう会社もあると思いますが、RevCommではしっかりと実施している印象がありますね。

瀬里:そうですね。やはりリモートワークで顔が見えないので、1on1をしっかりとやって安心感を高めていくことは大切です。入社後3か月経ったら、代表の會田との1on1の機会も設けています。

大谷:オンラインでの飲み会やランチ会も頻繁にやっていますね。

――毎月、3名と1on1をしているわけですね。大谷さんは育児をしながら仕事もされているので、両立するのは大変だと思います。働き方や制度で助かっているものはありますか?

大谷:フルリモートとフルフレックスは、なくてはならないほど大事です。

あと、子育てをしている・していないにかかわらず、社員は社内のGoogleカレンダーに予定を入れています。情報共有と調整しあう文化が社内で浸透していることも大きいと思います。

瀬里:カレンダーは全員オープンにしているので、経営陣のスケジュールもわかるようになっています。コアタイムなしのフルフレックスなので、しっかりと予定を共有しています。

大谷:フレックス制度も会社によって違いますよね。たとえば、1日最低4時間は働かないと、勤務日としてカウントされないといった条件を設ける会社もあると思います。

RevCommの場合はフルフレックスなので、短時間仕事をして、別日にその分をカバーすることが可能です。わたしは子どもが体調を崩してしまったときなど、寝ている時間だけ仕事をする日もあります。

エンジニアの組織づくりで意識していること

――多国籍であったり、フルリモートで全国各地に社員がいたりする状況のなか、エンジニア組織づくりで意識していることを教えてください。

瀬里:さきほども話に出たように、コミュニケーションを意識しています。

基本的には、Slack上でのテキストコミュニケーションが多いです。ただ、テキストコミュニケーションが往復すると、時間がかかってしまうこともあります。

なので、3往復を超えたらSlackのハドルミーティングのような音声コミュニケーションに変えることも多いです。テキストだけだと、どうしてもニュアンスや細部が伝わらないこともあるので、会話をすることが大切です。

定期的にオフサイトミーティングもおこなっています。強制ではありませんが、年に1回全社員が集まる機会もあります。チーム単位だと、年に2回はみんなで会うようにしていますね。

あとは、同じ地域に住んでいるメンバーで集まって飲み会をやっています。Slack上に地域のチャンネルやクラブ活動のチャンネルがあるので、そういうメンバーで集まっています。

大谷:日本一周のような感じで、観光がてら社員に会っている人もいますね。

自発的な組織が実現

――組織づくりにおいては、採用も重要になります。御社では、どのような人を採用しているのでしょうか?

瀬里:自発的に動けるかどうかを意識して採用しています。これはフルフレックス制度とフルリモート勤務が関係します。この働き方だと、いつ・どこで働いてもいいので、サボろうと思えばいくらでもサボれるわけです。

だからこそ「会社が成長すれば、さらにおもしろいことができるから自分も成長して貢献しよう」と考えられる人を求めています。これは、プログラミング技術よりも重要視していますね。

自発的に社員が動いてくれている例として、毎週水曜日の午後におこなわれている「Tech Talk」があります。Tech Talkは、最新の技術などのエンジニアリングに関わるTipsを話すLT会です。

エンジニアの自発的な取り組みによってはじまった各種取り組み。

こうした自発的な取り組みに対して、会社からNOとは言いません。技術勉強会は、外部に向けて公開することもあります。興味のある方は、参加していただけるとうれしいです。

(取材/文:川崎博則

― presented by paiza

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