「あなたの仕事における7つの流儀を教えてください」
本稿では、株式会社piconの創業者でありユーモアのあるプロダクトを次々と生み出す山口さんに、仕事に対する熱い思いと7つのルールについて伺った。山口さんの生み出すプロダクトは、その革新的なアイデアがIT業界に新しい発見をもたらしている。
キャリアにおいて、「AIチャットくん」をはじめ、ユーザーが「わくわくするプロダクト」をつくり続けてきた山口さんが、それぞれのルールについて次のように語った。
目次
picon社代表取締役・山口翔誠さんの7rules
Rule1.様々なことに好奇心を持つ
toC向けのプロダクトをつくる際は、世の中で何が起きているかや人々の興味に敏感になる必要があると思うんですよ。だから、いろんなことに興味を持って、そこで何かできないかを常に考えていますね。
Rule2.定期的に趣味を変える
趣味を変えると自然にさまざまなアンテナが育つんです。以前は一人でアニメや漫画ばかり見ていたのですが、最近はSNS上でコミュニティのあるゲームに切り替えたり、友達や個人で参加するスポーツも始めました。同じことばかりやっているとその世界に閉じこもってしまうと感じています。
Rule3.新しいものは徹底的に楽しむ
新しいものはとにかく触ってみて、徹底的に楽しむべきだと思っています。アプリやサービスもたくさん出てますけど、ちゃんとユーザーになって使ってみるのが大事なんです。ユーザー視点で市場を知るために競合のプロダクトも使うし、コミュニティに入ったり、Twitterのサブアカウントもつくったりしますよ。
Rule4.楽しい理由を理解する
他の人がなぜそのコンテンツを楽しんでいるのかを聞いて理解することが大切です。趣味も全部そうですね。みんなが違う理由で楽しんでいるんですよ。だから、どんな理由で楽しんでいるのかを常に聞いて、理解しようとするようにしています。
Rule5.熱量の高い不思議な行動を探す
たとえば画像生成だったら、1日で1,000枚とか画像生成しているユーザーがいます。どの界隈にも、そういう変わったユーザーがいるので。いい意味で異常な熱量の人を見逃さないようにしていますね。ユーザーの「異常な熱」がプロダクトのヒントになったりしますから。
Rule6.常にその場所で面白いものを作れないかを検討する
一つ趣味を始めるなら、一つ以上プロダクトアイディアを残して去っていきたい。課題を見つけて、すごい熱量の人につけて、この辺でサービスを作ればいいのかなと考えています。
Rule7.プロダクトはとにかく小さく始める
プロダクトと言っても、プログラミングをしなくてもできることはたくさんあって、たとえばスプレッドシートでも何かできちゃうことがあったりするんですよ。とにかく小さく実験してみる姿勢が大切だと思っています。
山口さんの人生を変えた2人の人物
山口さんに人生のキャリアにおけるターニングポイントを伺うと、piconの共同創業者である渋谷(幸人)さんと株式会社スマートバンクの創業者CEO・堀井(翔太)さんとの出会いを挙げてくれた。起業サークルで出会ったという渋谷さんとの出会いについて、山口さんは「サークルに入るのに審査みたいなものがあったんです。渋谷は最高点、僕は最下点で受かったらしくて」と笑顔を交えて語った。
彼が渋谷さんや堀井さんとの出会いをターニングポイントとして挙げ、彼らの影響を受けて「わくわくするプロダクト」を次々と生み出す姿勢を見せる様子は、一つの出会いが人生を大きく変えることの重要性をあらためて実感させられる。
また、堀井さんに関しては、「ユーザーが本当にほしがるものをつくるマインドにすごく影響を受けている」と彼のプロダクト作りへの姿勢に感銘を受けていることを明かした。
「堀井さんもプロダクトをつくるときは、ユーザーになって潜っていろいろ調べるタイプなんです。それこそフリル(現:ラクマ)は、元々ミクシィの掲示板で主婦の方が服を売ってたところを見つけたことがきっかけで生まれたサービスですし」
山口さんは堀井さんの姿勢に共感を覚え、ビジネスにおいて大切な「ユーザーファースト」の精神をあらためて学ぶことができたそうだ。
山口さんに一緒に働きたい人について伺うと「AIをはじめとした世界でどんどん進んでいく技術的な面に、興味と好奇心を持って調べられる人。あとはそこからプロダクトとして世に出すことを前提とした、ものづくりへの想像力を働かせられるような人ですね」と、AI技術の進化に対して興味を持つ未来志向の人材を求めていることを示す。
最後に、これからのビジョンについて、「世界で使えるプロダクトをつくりたいです。今のスマートフォンを開けると、TwitterもInstagramもFacebookも全部、国外の会社じゃないですか。それがすごく悔しくて。国内初の国内から世界で使えるプロダクトをつくりたいです」と、世界的に活躍するプロダクトを生み出す夢への情熱を露わにした。彼が率いるpicon社が、未来に向けて更なる飛躍を遂げることを期待せずにはいられない。
https://www.optimind.tech/