私は創業5期目のスタートアップ、株式会社Another worksでCTOをしています。

自分自身で開発をすることもありますが、最近はマネジメント業務が増え開発組織の強化にも力を入れています。

特に苦労したのはやはり、採用です。

採用媒体の運用やエンジニアイベントの開催を通して、採用候補者と接点を持つ機会は増えましたが、

・カジュアル面談で自社に興味を持ってくれた方はいるが転職意欲はなく、1次選考を案内できない

・スキルマッチ、カルチャーマッチするかどうか判断が難しい

といった課題がありました。

本記事では、様々な採用手法を試して得たエンジニア採用のノウハウをお届けします。

エンジニア採用はなぜ難しい?

そもそもなぜエンジニアは採用が難しいのでしょうか。

私が採用に携わるようになって感じた難しさを要素分解してみました。

(1)年収・単価の高騰

2030年にはIT人材が最大で約79万人不足すると経済産業省が発表しています。需要と供給のバランスが崩れているため、他の職種に比べると単価が高騰しています。単価を上げないと採用が難しいので、大手やメガベンチャーに比べ資金力のないスタートアップはここで難しさを感じます。

(2)エンジニア経験者で転職意欲がある層が少ない

経験年数3年以上のエンジニア人口は少ないです。そこから転職顕在層にフォーカスすると、アプローチできる対象がかなり絞られます。未経験者を採用する企業もありますが、即戦力を求めるかつ教育体制も十分に整っていないスタートアップでは未経験者の採用には難しさがあります。

(3)テックベンチャーの囲い込み

魅力的な開発環境やイケてるプロダクトを持っている企業、自社にインフルエンサー的なエンジニアがいる企業などが採用においては優位です。待遇も良いので優秀なエンジニアはなかなか転職市場には現れません。

当社でもこれまでエンジニア採用には苦労し、トライアンドエラーを繰り返しながら、さまざまな採用手法を試してきました。

求人広告の活用は人材紹介より費用が抑えられる、スカウト機能があるサイトは企業側からアプローチが可能です。資金力が十分ではないかつ、エンジニア採用が得意な人事がいるスタートアップにオススメします。またpaizaなどエンジニア特化のサイトでは、よりエンジニアのスキルが可視化されており、かつ転職潜在層にアプローチができます。

人材紹介サービスも利用していますが、自社の採用条件にマッチした人材を紹介してもらえるので、採用工数を抑えて短期間での採用が可能です。資金力がある、かつ採用には工数を割けない企業にオススメです。

WantedlyといったビジネスSNSも活用しています。低コストで利用できる、給与条件を記載できないためMVVへの共感で勝負ができます。資金力が十分ではないかつ、採用に工数を割くことができるスタートアップにオススメです。

”複業転職”をオススメする3つの理由

ここまでエンジニア採用の難しさについて説明してきました。
せっかく候補者と出会うことができても、転職意向度がなかったりカルチャーにマッチするかどうか判断が難しかったりするので、当社も採用にはかなり課題を感じていました。

そこで「まずは複業からジョインしてもらい、お互い相性が良ければ正社員オファーをしてフルタイムで迎え入れる」という複業転職を取り入れたところ、数名に複業期間を経て入社いただけることになりました。私が複業転職をオススメしたい理由は下記の3つです。

(1)転職市場になかなかいない人材と出会える

複業であれば、今すぐ転職を考えているわけではない人にもアプローチすることができます。転職サイトには登録していない、本業の第一線で活躍している方と出会うことができるのです。まずは複業で接点を持ち、業務を通じて自社のファンになってもらうことが大切です。

(2)複業期間にカルチャーにマッチ・スキルにマッチするかを判断できる

複業期間を通じて一緒に働くことにより、お互い、スキル・ビジョンマッチを正確に見極めることができるので、入社後のミスマッチを防ぐことができます。

(3)オンボーディングコストが削減できる

複業期間があるおかげで、自社のプロダクトや組織体制、メンバーについて理解度が高い状態でご入社いただけるので、入社後のオンボーディングコストがかかりません。

複業転職は、ただ人数を増やして人手が欲しいというよりは、カルチャーマッチを重視して優秀な人材と出会いたいという採用戦略との相性が非常にいいです。即時の採用効果が期待できないため、急ぎで人員を確保する必要がある場合には不向きかもしれません。

初めての複業採用におけるポイント

複業転職についてオススメしましたが、そもそも複業人材を採用したことがない企業も少なくないのではないでしょうか。転職を見据えた複業採用において気を付けるべき点を解説します。

(1)必ず面接を行う 経歴だけで判断しない

複業採用において、面接を実施せずに経歴だけで判断し採用する企業は少なくありません。転職を見据えた採用だからこそ、面接は必ず実施するようにしましょう。

(2)1on1を定期的に行う

業務を依頼して、完了するまでコミュニケーションを一切取らない、というのは厳禁です。1on1や週1/隔週の定例ミーティングを設定し、コミュニケーションの頻度を高めることで、自社について知ってもらう機会を増やすことができます。

(3)転職に繋がりやすい業務と、そうでない業務があることを理解する

通常の業務委託契約では転職につながることが少ないです。複業転職には独自のアプローチが必要で、転職に繋がりやすい業務と、そうでない業務があることを理解する必要があります。複業転職では、業務の選定と定期的なコミュニケーションが成功の鍵となります。単純作業ではなく、複業者のスキルを生かす業務を選ぶことが重要です。

「まずは複業から」ライトな関わりを

複業転職は、企業側だけではなく働く側にとってもメリットが大きいのではないでしょうか。

会社の雰囲気やメンバーとの相性などは、実際の現場に入り働いてみない限り分かりません。複業を通して実際の業務に関わることで、自分の得意なスキルが活かせるのか、自分が今後やりたいこととマッチしているか、解像度高くイメージできます。

また、複業からという関わりであれば、転職よりは大きく環境を変えることなく挑戦することができます。

企業側も働く側も「まずは複業から」はじめてみることをオススメします!

(文:Another works 塩原基弘)

※本記事はAnother works からpaiza「Tech Team Journal」への寄稿記事ですが、PR記事ではございません。

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