恋愛作家とSE、およそ遠いところにありそうな2つの職業を、両立している人がいます。All About 恋愛ガイドとしても活躍中の島田佳奈さんです。

島田さんは、さまざまな職種を経験ののち、フリーランスのSEとなり、さらに作家に転身。現在はサービス系企業での社内SEと作家業の「二足のわらじ」を履いています。

多忙なSEと作家業のバランスを取りながら、うまく両立し続けている島田さんに、「副業を持ってしなやかに生きる」ための7つのルールを伺いました。

⇒詳細な年表はこちら

関連記事:恋愛作家とSEの両立、「自分らしく生きる」を体現した「歩み」とは

Rules1:指名された仕事は断らない

「ぜひ島田佳奈さんにやってほしい」こう言われたら、どのような仕事でも断らないようにしています。

20年近く作家を続けてきた中で、世間が持つ自分のイメージはかなり定着しています。ただ、自分自身は、自分が何者かというこだわりはありません。

今までの自分のイメージに合わない仕事でも、求められれば引き受けます。業界にもこだわりません。何でも面白がってやれると思います。

ただ「誰でもいいからお願い」と言われたら断ります。

Rules2:スケジュール管理は徹底する

いくつかの仕事を掛け持ちする上で重要なことは、1にも2にもスケジュール管理だと考えています。会社に行きながら副業の締切りを守りつつ、プライベートの時間も確保するには、常に「スケジュールの整理をすること」が必須です。

仕事先に迷惑をかけないことはもちろん、家族との時間を犠牲にしないためにも、日々のスケジュールを「なぁなぁ」にしていたら、ドンドンうしろにずれて、何もできなくなります。

仕事相手は誰もが「自分の仕事こそ第一」だと考えています。「ほかの仕事が忙しい」は、言い訳にはならないのです。

Rules3:体調管理も仕事のうち

50代になって、体力をつけないと、この先キツくなると感じて、パーソナルトレーニングを始めました。体の状態に合わせて、毎回少しずつメニューが変えられています。

プロの追い込みは本当にすごいと感じます。ジムで器具の使い方を教えてもらう程度の関係性とは全く異なり、パーソナルトレーナーは、わたしの体をしっかりと見てくれています。毎回重さや回数を変えて、そのときのわたしにとっての限界値に持って行ってくれるので、キツイですが、進歩が自分でもわかります。

パーソナルトレーニングは、高そうなイメージ通り、3か月15万といった高価格設定のジムが大半。しかし、わたしが通っているジムはかなりリーズナブルで、そのつど会計するシステムです。

Rules4:優先順位はきっちり決める

仕事や家事をするときに、何も考えず、手当たりしだいにおこなうことはありません。自分の中の優先順位は常にきちんと決めて、必ず守ります。自分にとって「大切」なことは、絶対に後回しにはしません。

「仕事」「家族」「健康」「お金」「(自由な)時間」のすべてを優先できればベストですが、限られた時間の中では、難しい問題です。そこで、逆に何を犠牲にするか?が問われます。

この5つの中では、今は家族が大切なので、家族との時間を何より優先します。この順位はそのときによって変わります。若いころは仕事に熱中するあまりに、プライベートを犠牲にしていたこともありました。しかし、自由な時間がなくなると、心の余裕もなくなります。

そうならないために、今は家族との時間、そしてひとりの時間も大切にしています。

Rules5:自分に求められる役割を常に考える

仕事を受けるときには、必ず二つの疑問点を確認します。

・この仕事の目的(ゴール)
・この仕事の中での自分の役割

わたしは執筆の仕事以外に、恋愛のコメンテーターとしてテレビ出演することもたびたびあります。とくに『5時に夢中』(TOKYO MX)には、何度か呼んでいただきました。

番組には台本がないので、コメントはアドリブです。その日の趣旨を理解していないと、的外れなコメントをして場をしらけさせてしまう危険があります。

打ち合わせでは、上記2点を確認し、会話内容まで細かく打ち合わせをしてから、本番に臨みました。ディレクターからは「仕事がやりやすい」と言っていただいたことも。

相手が求めていること、自分が期待されていることを常に考えます。とくに不倫など「王道以外の恋愛」をテーマに書き続けているわたしには、きれいごとを言ってほしいときに出演依頼は来ません。必ず「切り込んでほしい」から依頼があります。

それを理解し、最大限期待に応えるようにしてきました。何度かリピートしていただけたのは、そのお陰だと感じています。

Rules6:「メンドクサイ」を放置せず、解決するための最適解を探す

日々の生活の中で、「めんどくさい」と感じることは少なくありません。そう感じた時には、絶対そのままにはせず、解決する手段を考えます。

そもそも、SEの仕事自体が「効率化」のためにおこなうもの。手作業のめんどくささを解決するためのものだと言えます。

解決のためには、AIなどの新しい技術を導入することもちゅうちょしません。取り入れて自分が楽になる最適解を探します。たとえ技術をマスターするために多少時間がかかっても、後々楽になるなら、遠回りするほうを選びます。

Rules7:笑顔を忘れない

二つの意味で、笑顔を忘れないようにしたいと考えています。一つは、悩んだり心に余裕がなくて、笑えなくなったり、作り笑顔になったりするような生活をしないこと。

もう一つは、その場にいる人を笑顔にする存在でいることです。

男女平等で働く前提であっても、女性にしかできない役割は、やはりあります。エンジニアには女性は少ないこともあって、その場のムードメーカーになるケースが多いのです。

わたしのポジション的には、チームリーダーやサブリーダーになることが多いため、メンバーを励ましたり鼓舞したりするのも役割の一つ。元気のない人に「どうしたの?」と声がけするなど、周りに気を配るのも当たり前のことです。

でもまずは、自分が笑顔でいなくては、周りを笑顔にすることはできません。

時間・体調・感情のコントロールが不可欠

SEと作家の兼業をバランスよく続ける島田佳奈さん。島田さんの考える「副業を持ってしなやかに生きるため」の7つのルールは、現在副業を持つ方、また持ちたいと考えている方にとって、参考になる部分が多いのではないでしょうか。

多くのタスクをこなす中で、重要となるのは、スケジュールと体を管理し、心に余裕を持つこと。時間・体調・感情をうまくコントロールできるかどうかが、副業の成功にとってキモ。いえ、すべての仕事にとって大事なことといえますね。

(取材/文:陽菜ひよ子

― presented by paiza

関連記事

恋愛作家とSEの両立、「自分らしく生きる」を体現した「歩み」とは

他のProfessional 7rulesも読む

 

Share