皆さんは、「チームに必要な人」と聞いて、どのような方をイメージするでしょうか。
テックチームで開発を進めるにあたっては、優秀なマネージャーや開発者などの存在は大切です。実際に、物事を力強く進めていける「強いエンジニア」などは目立ちますし、そうなりたいと思う方も多いかもしれません。
しかし、そのような「強いエンジニア」に限らず、テックチームの中で価値のある存在、必要な存在がいます。それが、「小さな行動で空気をよくできる人」です。
すご腕のエンジニアやマネージャーの仕事ぶりというのは、簡単にはまねできません。しかし、キャリアやスキルに関係なく、気持ちしだいでできる小さな行動によってもチームに貢献が可能なのです。
目次
テックチームの”空気”
私自身も自ら採用したメンバーとチームづくりをしたり、あるいはすでに体制ができあがっているチームに所属したりと、いくつものパターンを経験しました。
その中で実感したのは、やはりチームによって”空気感”のようなものがある点です。みなさんも、チームの雰囲気や空気と言われると、なんとなくイメージが湧くのではないでしょうか。チームの文化、と言い換えても良いかもしれません。
ある本では、文化のことを以下のように定義しています。
あるグループの人々をほかのグループから区別する、共有された価値観・習慣・信念の集合体
私はこれを「チーム皆に共通する行動の仕方や考え方、物事の捉え方」と理解しています。
つまり、テックチームの文化や空気というのは、所属する人たちがとる普段の行動や考え方の傾向のことといえるでしょう。
そして、テックチームの空気は、
・物事をポジティブに考える
・チーム皆が成果を出したり成長したりすることに対して協力的である
・互いに協力的である
などの要素を持つ場合に「良い空気」といえると考えています。こうした良い空気は、所属する一人ひとりが作り上げていくものです。
チームの空気を良くする小さな行動とは
では、そういった空気を良くする「小さな行動」とは、いったいどのようなものでしょうか。
例として、以下の行動が挙げられます。
・SlackやTeamsなどのチャットツールで、チームメンバー等の投稿に「いいね」をする
・「雑談」や「分報」などのチャネルで積極的に発言する
・社内で企画された勉強会やイベントなどに参加する
・社内で依頼されたアンケートに答える
どうでしょうか。皆さんは普段これらの行動をとっているでしょうか。「このくらいなら普段からやっているよ」という方もいらっしゃるかもしれません。(すばらしい!)
ここで挙げた小さな行動をまとめると、
社内やチーム内の誰かが行った主体的なアクション(発言・連絡・企画など)に対して、反応や後押しをすること
といえます。このような行動が、テックチームの空気を良くすることに繋がります。
小さな行動がチームに及ぼす影響
リーダーやマネージャーの経験がある方は、メンバーからの反応の大切さを実感したことがあると思います。
なにか社内での連絡事項を伝えたり、チームを良くするために「来週から**をしましょう!」といった呼びかけをしたりした際、無反応だと困ってしまいますよね。そこでプラスの反応があれば、「良かった伝わった」と安心できたり、「もっと頑張ろう」という気持ちになれます。反対に、マイナスの反応があったとしても、まともなリーダーやマネージャーであれば「じゃあどうしようか」とより良いアクションにつなげることができます。しかし、反応がなければ次のアクションにつなげることができません。
また、マネージャー以外の、有志で行動を起こそうとしている人にとっても同じです。たとえば「社内で勉強会をしよう!」と思い、参加や発表を呼びかける人がいたとします。そこで、仮に発表ができないとしても「面白そうなのでぜひ参加したいです」というコメントや「いいね!」のスタンプ一つでも反応があることで、行動しようとしている人の後押しになります。
小さな行動が大切なのは、こうしたやる気のある人・行動を起こしている人のアクションを継続・加速させるためのエネルギーになるからです。逆に、誰かの反応がなければそうした芽がぽっきりと折れてしまうかもしれません。
大げさに言えば、小さな行動はチームの文化を変えたり、より良い習慣を根付かせたりすることに多大な貢献をしていることになるのです。
すぐにできる小さな行動から始めましょう
今回はテックチームの空気と、空気を良くするための小さな行動についてご紹介しました。
せっかくチームで働くのであれば、空気が良く良好なコミュニケーションがとれる状態でいたいですよね。
チームや組織を良くするために自分が先頭に立って何か新しい取り組みをする、というのは皆ができることではないかもしれません。しかし、そうした行動を起こす人を後押しし、加速させるための行動は誰にでもできるものです。
ぜひ、身近な「いいね」や反応などの小さな行動からチームへの+αの貢献を始めてみてください。
(文:伊藤由貴)