前回はパラレルキャリアの実態・一日のタイムスケジュールについて紹介しましたが、今回は私がパラレルキャリアを続けている理由についてお話しします。
私は、大学を卒業してすぐに就職し、いまもサラリーマンとして働いています。一方で、ブログ運営による収益や、ライター業務を請け負う個人事業主としても活動しています。
「個人事業主一本で働いてもいいんじゃない?」とアドバイスをいただくこともあるのですが、私としてはやはり、サラリーマンはやめたくないのです。今日はその理由についてお話ししようと思います。
目次
サラリーマンのメリット
私がなぜ個人事業一本に絞らず、企業に所属するサラリーマンとしての活動を続けるのか。その理由についていくつかポイントを絞ってみました。やはりサラリーマンはサラリーマンならではの魅力が詰まっているんです。
■会社の看板を借りながら、大きな企業と対等に仕事ができる
企業に属するということは、その企業の看板を背負って活動をすることになります。それをわずらわしく感じる人もいるかもしれませんが、これは大きなメリットです。
仕事とは信頼関係の上に成り立ちます。会社の看板を借りることで、「私」という小さな個人であっても、大きなプロジェクトに関わる機会が得られます。
仕事に大小・優劣をつけることはできませんが、企業に属しているからこそできる仕事というのがあり、そこで学べる知識・経験があるのはまちがいありません。
■人と関わることで学びが多い・さまざまな知識や経験を得られる
企業に属していれば、基本的には上司や先輩がいます。あるいは同じ業務をともにする同僚や、プロジェクトをともにするチームメンバーがいます。
さまざまな関わり合いの中に身を置けるので、自分が持っていない知識や経験を身近に体験する機会が非常に多いです。
とくに私が働いていた会社は、各個人が積極的にスキルアップを目指していましたし、それを社内で共有する機会も多くありました。Slackを通して「こういうプロジェクトをしました」「こんなチャレンジをしました」との報告が日常的に交わされるため、自分から拾わなくてもさまざまな知識を得られます。
また、そうした人たちと関わることで「自分も負けていられないな!」と気持ちが鼓舞されます。私の本質は怠ける人間だと思っているので、こういう切磋琢磨できる環境に身を置くことで、自身に対して焦りと不安を持たせるようにしているのです。
■定額の収入がある
決まったタイミングで、決まった金額が手元に入る。これも非常に大切なメリットです。
たしかに、収入が減らない一方で、大きく増えることもありません。「今月はハチャメチャに頑張ったから、その分だけ収入も多いぞ!」という夢を見ることはありません。
ですが、家族を守るためには安定も非常に重要。定額の収入があるから予定や計画を立てられ、家族も安心して生活ができています。
また「収入を伸ばしたければ個人の活動を頑張ればいい」と割り切っていられるのも、パラレルキャリアを継続している大きな理由のひとつです。
サラリーマンの収入をベースラインにしつつ、個人事業主の働きが増えれば収入も多くなる。軸を二つ持つことで「安定」と「のびしろ」を両立させています。
■決まった時間で仕事ができる/必ず仕事がある
「朝起きたら仕事がある」というのは決して当たり前でなく、恵まれたことなのだなと、個人の仕事をしていると痛感します。
個人の仕事は、どうしても不安定です。依頼主の状況によって発注の頻度や金額は簡単に変わってしまいます。
サラリーマンとして毎日決まった時間に仕事があり、働いた分だけ報酬がある。仕事を軸に安定した生活リズムを構築できるのも、勤め人の大きなメリットだと感じます。
個人事業主のメリット
一方で個人事業主として活動するにも、多くのメリットがあります。サラリーマン一本に絞れない魅力が、そこにはあります。
■自分の名前で活動できる
「⚪︎⚪︎会社のばんかさん」ではなく、ただ一人の「ばんか」として活動できます。すべての成果は私個人のものであり、私という個人を世の中に認知してもらえます。
いままでテレビ・雑誌・新聞などの取材もあれば、本を出版する機会もいただきました。こうした仕事すべてを「ばんか」という個人名で活動できるのは、それはそれはうれしいものです。
これこそが私のやりがいであり、生きがいでもあります。本来的に目立ちたがりなものでして。
■頑張り次第で収入が増やせる
さきほどお話ししましたが、不安定さの反面、頑張った分だけ収入が増えます。収入が増えるとわかっているから頑張れます。
お金がすべてではないかもしれませんが、お金は大きなモチベーションです。
「今年の夏はちょっと贅沢な家族旅行にするぞ!」と目標を立てたとき、「節約」というネガティブな手段ではなく、「努力」というポジティブな手段を選択できる。サラリーマンでは味わえない魅力です。
■自分のペースで仕事ができる
「今月頑張った分だけ、来月はすこしペースを落とそう」とか、「今月は本の執筆に多くの時間を使おう」とか。すべて自分自身と相談しながら決められます。
やっても、やらなくても、どちらでも問題ない。「今月はサラリーマンの仕事のほうがめちゃめちゃに忙しいから、個人のほうはすこしペースダウンさせよう」といった調整ができます。
また、家族との生活のバランスも取りやすいのがうれしいですね。朝昼晩の食事の時間や、週末の家族と過ごす時間など、生活のリズムに合わせて働き方を調整できるのがうれしいポイントです。
■仕事を作ること大変さと楽しさを感じる
良くも悪くも、自分で仕事を作ることの大変さを学べたのは、人生の大きな財産になったと思います。
サラリーマンをやってると、仕事を与えられる機会が多いですし、仕事が作れなかったとしても給料は支払われます。あまりいい考え方ではありませんけどね。
ですが個人事業のほうは、仕事がなければ収入がありません。背中に崖を背負った状態で、必死こいて仕事を作ろうと努力する。そういった経験をしたことがあるかないかは、今後の人生の別れ道になるようなきがしています。
さいごに
「企業勤めよりも、個人で稼いでいる人のほうがえらい」なんていう風潮があるように思えることがあります。ですが、私から言わせればそれは短絡的で浅はかな考えです。
サラリーマンだからこそ得られるメリットは多く、個人事業では得られない旨味があります。それをないがしろにして、「サラリーマンをやめよう!」なんて判断しないでほしいなと思うわけです。
働き方は人それぞれ。自分にあった生き方・働き方をぜひ見つけてみてください。
(文:ばんか(bamka))