「最近、疲れやすくなった」「寝ても疲れが取れない」「肩こりや腰痛が出てきた」といったことはないでしょうか?

わたしは40代のライターですが、ここ10年ぐらいでこのような変化を感じています。以前は、少々無理をしてもリカバリーできていましたが、いまは意識して生活をしていかなければ、コンディションを維持できなくなってきました。

そんなわたしが、疲れを感じたら駆け込んでいるのが“サウナ”です。サウナの魅力は、なんと言っても即効性と手軽さ。多忙なビジネスパーソンには、全力でオススメしたいコンデショニング方法です。

『医者が教えるサウナの教科書―ビジネスエリートはなぜ脳と体をサウナでととのえるのか?(著・加藤容崇)』には、サウナの効果とその根拠、正しい入り方、日常生活へのサウナの取り入れ方などが紹介されています。

今回、わたしが実感しているサウナの効果は、どのようなメカニズムで起こっているのか? 本書から紐解きます。

脳疲労が取れて、頭がスッキリする

組織におけるキャリアが長くなると、求められる役割も増えていきます。40代になればプロジェクトの進行だけでなく、人材育成、人事考課、トラブル対応、チーム運営といったマネジメントの役割を担っている方も少なくないでしょう。「あれもこれもやらないといけない」という状況で複数の懸念事項を抱えていると、休日でもふとしたときに心配事が頭に浮かんで、なかなか気持ちが休まりません。

“実は、脳疲労の原因は、ぼーっとしている時にも色々と考えてしまうことによって、脳の70〜80%のエネルギーが奪われることにあります。しかもこれは脳が自動的に考え始めてしまうので、意思の力ではどうにもなりません。(P24)”

そんなときこそ、サウナです。100度近いサウナ室に入っていると、“熱い”以外のことは、頭に浮かんでこなくなります。そして、水風呂、外気浴の間も、もやもやした思考から解放されて頭がスッキリしてくるのです。

本書によれば、体が極限の環境に適応するのに必死になるため、強制的に思考を停止させることができるとのこと。だから、脳疲労が取れて、頭がスッキリするのです。

ぐっすり眠ることができる

「夜中に何度も起きてしまい、疲れが取れない」ということはないでしょうか?

わたしは、夜中に1〜2度ほど目が覚めます。20代、30代の頃はそんなことはなかったのですが、最近は朝まで1度も起きないことはまれです。ところが、サウナに入った日は夜中に起きることも少なく、ぐっすり眠ることができます。そして朝、スッキリと目覚めるのです。これは、どうしてなのでしょうか? 

本書によれば、サウナに入った75%の人に睡眠の改善が得られるという研究結果があるものの、その医学的なメカニズムはまだ解明されていないそうです。しかし、著者は2つの仮説を主張しています。

  1. たっぷり運動したときと同じような体温調節が行われるため、脳が勘違いして「体を休めなさい」というシグナルを出すのではないか。 
  2. 手足の先などの末梢体温が体の中心部の深部体温よりも高くなり、しかもその差が大きくなるほど人は眠くなるという報告がある。サウナに入るとこの現象が起こるため、睡眠のスイッチが入るのではないか。

睡眠の質を改善するためには、生活習慣の見直しや時間コントロールが必要で、多忙なビジネスパーソンとっては容易ではありません。その点、サウナは入るだけでよいので簡単です。

肩こりがやわらぐ

長時間のデスクワークで、「肩こりや腰痛に悩まされている」という方も多いでしょう。わたしは猫背なので肩がよくこります。「肩がだるい」と感じたら、ストレッチをしたり、マッサージを受けたりといくつかの対処法を用意しています。なかでも最も効果を感じているのがサウナです。

“サウナに入ると疲労が取れるという報告があります。その理由は、まず、温熱効果によって凝り固まった筋肉がやわらぎ、血流が増加するということ。血流の役割には、熱を運んだり、酸素や栄養を運んだりする以外に、余計なものを回収するという働きもあります。つまり、肉体を疲労させる物質を運び去り、スッキリさせてくれるのです。(P49)”

これらの効果は入浴でも得られるのですが、サウナほうがより一層高い効果を感じます。サウナに入ると体がスッキリ軽くなるのは、なぜなのでしょうか?

“サウナに入ると、心臓がドキドキしてきて心拍数が通常の2倍程度まで上がります。(中略)それにより、筋肉への血流が増加し、疲労物質が強力に押し流されて、筋肉疲労が回復します。(P50)”

さらに本書には、肩こりや腰痛がやわらぐだけでなく、抗酸化作用によって肩こりや腰痛になりにくい体質になるとあります。たしかに、わたしもサウナを利用するようになってからは、肩こりがやわらぎマッサージを受けることが少なくなりました。

サウナで心身をととのえよう

サウナには効果的な入り方があります。「サウナ→水風呂→外気浴」これが基本の1セット。これを3〜4回くり返します。「サウナがあまり好きではない」という人は、水風呂に入っていない人が多いように思います。それでは「ただ熱いだけ」で終わってしまい、サウナの効果を十分に得ることができません。

以前は、わたしも水風呂が苦手でした。でも、思い切って入ってみると冷たいのは最初だけ。しばらくすると体に薄い膜が張っているかのような感覚になり、冷たさを感じなくなります。そして、日常では味わえない爽快感がやってきます。水風呂から出て外気浴に移ると、血流が全身を巡って体がじんじん。心配事や不安は消え去り、頭にはなにも浮かばず、幸せな気持ちに満たされていくのです。この感覚を得てからは、水風呂に入らずにはいられなくなりました。

東洋医学では、男性は40歳、女性は35歳から衰えがはじまると言われています。心身をととのえる方法をいくつか備えておき、生活に合わせて利用することで、心地よく元気を保っていきたいですね。

※サウナを利用する際は、正しい入り方を学び、体調にあわせて安全に利用してください。

(文:コクブサトシ)

presented by paiza

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