人工知能(AI)を使ったチャットサービス「ChatGPT」
エンジニアの知人にその凄さを熱弁されてから早数か月。ChatGPTの回答の精度を高めるためには、いわゆる質問・命令・指示文章(プロンプト)が肝だと、Tech領域にそこまで明るくない筆者も感じている。
何を回答として出してほしいかにもよるが、基本的に以下2つを踏まえた指示文章が大事なのではないだろうか。
- 簡潔な文章で条件を与える
- 一次回答後、さらに精度を高めるために新たな条件や情報を提供する
筆者の場合、得意領域が「お笑い」のため、ChatGPTには上記を踏まえて複数のお笑いコンビのキャッチコピーを考えてもらうことにした。
※この記事は4月30日に行なわれた「THESECOND」のトーナメントより前に執筆したものです。
目次
賞レースの紹介でよくあるキャッチコピー
お笑い賞レースの決勝戦では、各コンビにキャッチコピーや異名がつけられて紹介されることが多い。たとえば日本一の若手漫才師を決める『M-1グランプリ』で昨年優勝した「ウエストランド」は「小市民怒涛の叫び」、その前年の2021年に優勝したコンビ・錦鯉は「50歳おバカの大冒険」というキャッチコピーだった。
こうしたキャッチコピーをChatGPTに考えてもらったらどうなるだろう。
今年から新たに結成16年以上のコンビによるお笑い賞レース『THE SECOND』が始まった。
現在、漫才界の猛者たちが1対1のトーナメント方式でしのぎを削って戦っている。きっと5月に行われる『THE SECOND』の決勝戦ではスタッフの方が考えた、キャッチコピーが放たれるのではないだろうか。
そこで今回は新たな賞レース『THE SECOND』出場コンビのキャッチコピーを先回りしてChatGPTに考えてみてもらった。
「囲碁将棋」
まずは関東の漫才師の兄貴的存在「囲碁将棋」を表すキャッチコピーをお願いしてみた。ChatGPTへの依頼として意識したのは、あくまで「囲碁将棋」が漫才師であるとしっかりと簡潔に伝えること。
結果やいかに…。

打ったり指したりする「囲碁将棋」と勘違いされている節がある。
イマイチだ。
コンビ名を使わずにたとえてほしいので、次はこんな条件とともに新たな情報も提供してみた。

「トークマジシャン」という単語に思わず笑ってしまった。
「あなたはまるで、トークマジシャンですね!」キャッチコピーというより、日常生活にねじ込んでみたい単語だ。
そして2.「瞬間コント」ってなんだろう。そもそも漫才師の大会のキャッチコピーに「コント」は御法度だろう。
「囲碁将棋」の情報が少なすぎたのかも…と反省し、さらに情報を提供してみた。

「言いたいことはわかるけど、やっぱりヒネりが足りないなぁ…」と上から目線のことを思ってしまう。
とくに2.「文田&根建、2人で1つの芸!異次元コンビ、囲碁将棋!」というキャッチコピー。たしかに漫才は「2人で1つの芸」なんだけど…。
どことなくB’z の『LOVE PHANTOM』の歌詞を感じてしまうのは、わたしだけだろうか。
ファンとしては東京芸人だけでなく、全国民に「囲碁将棋」の漫才を見ていただきたいのですよ!
あ!「芸歴15年以上」と記載してしまっていたが正式には「結成16年以上のコンビ」が出場条件だ。
しまった…。
条件を修正し、今度はChatGPTに「テレビディレクター」という「役割」を与えて、よりプロンプトっぽい型で依頼してみた。

「誰が何と言おうと笑いに勝るものはない!」の力強さと内容には、お笑い好きとして大いに賛同する。しかし、「囲碁将棋」は結成から19年経っているベテランコンビのため、間違った芸歴の記載があると、どことなく残念なコピーとして映ってしまう。
依頼する型を作ってみても、あまり回答精度を高めることはできなかった。
タイムマシーン3号
ChatGPTがお笑いコンビのキャッチコピーをつけることに慣れていないのか、はたまた筆者の指示文章が良くないのかを検証するために、別にもう一組のキャッチコピーを考えてもらうことにした。
「囲碁将棋」のように、元からある単語だと「ChatGPTが混乱してしまう可能性がある…?」と素人目線な仮説もあり、今回はよりお笑いコンビ名としてAIにも認識されていそうな「タイムマシーン3号」のキャッチコピーを考えてもらうことに。
そして今回はコンビとしての情報も最初から提供してみた。

1.「時空を超える笑いの旅人」に「お、ちょっとそれっぽい!いいねいいね!」とテンションが上がる。
もっと情報提供をして、再度キャッチコピーを依頼してみた。

そうか、私たちは彼らの漫才を見て「笑いのタイムトラベル」に連れて行ってもらっていたのか…。
ChatGPTには気付かされることも多い。
ちなみにタイムマシーン3号のYouTube視聴者としては、3.「山本さんの実家は笑いの宝庫!?癒やし系YouTuber」は間違っていないと思うのであった。
ただ今回は、YouTuberとしてのキャッチコピーではなく、賞レースでのコンビとしてのキャッチコピーがほしいので却下。
もう少し、ChatGPTさんのお知恵を拝借しよう。

1.「時空を超えた爆笑漫才、笑いのエネルギーを解き放て!」に関していえば芸歴を重ねた彼らのネタは、ある意味「時空を超えた爆笑漫才」と言えるのかもしれない。「笑いのエネルギーを解き放て!」部分も日本テレビ系列で放送されていた『エンタの神様』をほうふつとさせる勢いがあって、なかなかよいのではないだろうか。
2.「痩せとぽっちゃりの絶妙なコンビネーション」は他にもあてはまるコンビが多すぎて、微妙な表現だ。
3.「超絶ハイテンション漫才」もタイムマシーン3号を表すのに適切ではない気がする…と、キャッチコピーを見ながら、テスト問題の選択肢を消去法で選ぶときのような心持ちになってしまった。
現状はお笑い愛あふれる人が考えた、キャッチコピーのほうが心に刺さる
日々進歩している「ChatGPT」
2023年4月の時点では上記のような回答が出てきたが、明日はどんな回答が出てくるかわからない。ただ、キャッチコピーにしても何かの企画案にしても、考えが煮詰まったときには「ChatGPT」に聞いてみるくらいの距離感で付き合うのが良いのだろう。
現時点ではお笑い愛にあふれる制作陣が考えたキャッチコピーのほうが、出演者や視聴者の心にもきっと刺さるに違いない。「ChatGPT」や『THE SECOND』の今後に乞うご期待だ。
(文:ふじい)
