勤めていた出版社で給料未払いが半年あったあと、会社都合の解雇になり路頭に迷った20代。その後、派遣社員で働くも派遣切りを経験し、一社に勤めるリスクを感じた30代。
そんな実体験から、毛利元就の座右の銘「三本の矢」のように、何かあっても路頭に迷わないよう副業を組み合わせるなど、実践していることをご紹介します。
目次
毛利元就の三本の矢とは
晩年の毛利元就が病床に伏していたある日「一本の矢では簡単に折れるが、三本纏めると容易に折れないので、三人共々がよく結束して毛利家を守ってほしい」と隆元・元春・隆景に告げた逸話です。
つるたま自身が倒産や派遣終了などを経験したとき、ひとつの仕事に重点を置きすぎてしまうと、有事に立て直しがなかなかできず、次の仕事を探すまで苦労しました。
そんな経験から、フリーランスとして独立してからというもの、三本の矢を真似て3つの仕事に分散するようにしたら、もし一本が折れても(フリーなので突然仕事がなくなることがあるのです)二本が残るので凌げるようになりました。現在では、写真・ライター・WEBなど、各方面に仕事を広げられるようにもなっています。
一本目の矢は「今やっているメイン事業」
事実上の倒産で仕事がなく、他ジャンルに挑戦しようと飲食店の面接を受けるも受からず……。そんな日々で追い詰められていたときのこと。
「自分がもっとも生計を立てやすい仕事は何か」を振り返って考え、これまで培った撮影知識を買ってくれる企業さんで働けないかと考えました。
すると、今まで面接に落ちていたのが嘘のように、カメラメーカーの仕事があっという間に決まりました。
必ずしも誰もが、やりたい仕事メインで成功するとは限りません。
今まで培ってきた知識や経験があるからこそ、積み上げてきた仕事が一本目の矢である主軸にしやすく、一番の武器にしやすいことを実感した瞬間でした。
二本目・三本目の矢は「できることからやりたいことを副業化」
一本目の矢が安定したら、自分のできることやりたいことを事業化するために、副業から実績や経験を貯めていきます。
今まで行っていたカメラマンの仕事だけでなく、カメラ教室の講師、カメラブログの開設を行い、“カメラの知識を見知らぬ誰かに伝えること”を二本目の矢としました。
すると、口コミや信頼を得て撮影の仕事が増えるだけでなく、ライターの依頼も飛び込んでくるようになりました。
この二本目の矢のポイントは、培った知識や経験を派生させて別の仕事ジャンルにつなげること。自分は当たり前に知っていることや、普通の知識レベルと思っていても、一般的には必要とされる知識であることも。それに気づくことで仕事につながったと考えています。
この考え方で、三本目の矢も同じように副業を派生させて育てていくことが大切です。
「3つの比重を均等化していく」
三本の矢である仕事を確立したら、それぞれのバランスが均等になるように仕事のバランスを調整していきます。
フリーランスで仕事をしていると、長くても付き合いは5年くらい、平均的には2〜3年で入れ替わりの時期を迎えて新しい仕事を探しにいくことが多かった印象です。
そのため一社に頼っていると、数年後などにその仕事がなくなったときに路頭に迷う可能性があります。
そうならないためにも、バランスが均等になるように日程や作業量などを調整しながら、少ない仕事を強化しています。
三社もしくは3ジャンルが理想
三本の矢をベースに考えると、一本の矢が時期によって弱くなる場合もあります。
そのときは、一本の矢の中に大ジャンルと少ジャンルのようなジャンルを細分化して、その仕事の取引先を増やしています。
たとえばつるたまの場合は撮影がメイン事業ですが、ライターの金額は一社だけではメイン事業に追いつけないので、数社でライター活動を行っています。
また同じ撮影業務でも、A社・B社・C社など毎月メインで取引している三社があり、一本の矢の中にも細分化された三本の矢を構成しています。そう簡単に仕事に困らないための仕組みづくりです。
こういった仕事や取引先の作り方は、実際に仕事に困った経験があったからこそできた考え方。常に何かがあってもいいように、今の自分の仕事相場をチェックしておくこと、転職サイトや求人などで面白そうな会社とつながっておくのがおすすめです。
(文:つるたま)