目標達成に向け「自分のための時間をつくる」方法とは?

“一年の計は元旦にあり”という言葉がある。誰もが耳にしたことのあるこの言葉は、ことわざの一つ。“何事もまず初めに計画を立てることが大事である”という意味だ。

年が始まる瞬間は、周囲の人たちと祝いの言葉をかけあい、そして神仏のもとへまいる。
その営みは、感謝の気持ちを伝えるときでもある一方、己の誓いを立てるときでもある。

年末まであせりを感じ、苦々しい気持ちを持っていても、年が変われば「今年こそはいい年に」「今度はこんな目標を立てよう」と希望を持つことができる。

時系列だけでみてみれば、ただ1日が経過しただけなのに、人は自分たちの中で1年の区切りをつくることで気持ちがリセットできるのだから不思議なものだ。人間のならわしは実におもしろい。

気合を入れて計画を立てても、気づいたら年末になっていた!

「ME TIME(ミータイム)」の確保

あなたは1年の始まりに、計画を立てるだろうか。実際のところ、元旦はともかく、1月は心を新たにして周囲に目標宣言をしたり、職場や学校などでスローガンを掲示するといった話をよく聞く。手帳も1月始まりのものが無数に存在していることから、自身の棚卸しをしたい人もまた多いのだろう。

私も1年の始まりには、計画を立てるための集中時間をもうける。その場で、1年のうちにやりたいこと、半期でやりたいこと、毎月やりたいことを書き出し手帳に記録している。もちろん時間術や手帳術マスターはこの世に多数存在するので、彼らには到底及ばないが……。しかし、たとえ途切れ途切れでも、1文だけでも、それこそ数文字の殴り書きだったとしても、その記した内容は1年の軌跡であり、自分がもがき歩んだ立派な証になる。

ところがだ。計画を立ててみても、それが実現できるかどうかは別の話。

ビジネスパーソンは忙しい。毎日、目の前にある仕事・家事・育児・介護など考えなくてはいけないことが山のようにある。目の前のことに集中してとらわれていると、何にどれほど時間を費やしたかなんてわからなくなる。

バタバタと起床して、慌てて支度、気づけば仕事が始まり、ハッと振り返ればどっぷりと夕暮れをむかえていた。

「どこにも自分の時間がない!」

「時間が溶けた」

「おかしい、やりたいことが進まない」

そんなことはないだろうか?……私の日常では、けっこうあるあるだ。

時間をやりくりだってしているのに、やりくりすればするほど、仕事が増えていき、自分の時間がますますとれない。

そうこうするうちに、気づけば年末に何もやりたいことができていなかった!

志高く始まった年始なのに、1年が終わるころにはすっかり萎む気持ち。小さく丸まった姿を想像すると、それだけで胸がぎゅうっと締め付けられるものだ。

誰にも邪魔されない豊かな時間

「ME TIME(ミータイム)」の確保

これを読んでいるあなたも、一度はそんな気持ちをいだいたことはないだろうか。“いや、実は毎年思っている” “本当は抜け出したいのに”ーーそんな声がどこからともなく聞こえてきそうである。

胸に手を当ててみて心あたりがあるあなたは、ぜひ1年の始まりに「ME TIME(ミータイム)」の確保について考えてみよう。

「ME TIME」? なんのことだろう、と思ったあなたは安心してほしい。これからその考え方について、お伝えしていく。

「ME TIME」とは、自分だけの時間、自分のための時間、誰にも邪魔されない「私時間」のことだ。朝活・朝イチ業務改善コンサルタントの池田千恵さんが提唱する考え方である。

では、単なる自分時間かというとそうではないようだ。これは自分にとって、うれしいこと、楽しいこと、気持ちいいことをして、ゆっくり過ごす豊かな時間のことをいうのだ。

海外では、自分のために過ごす単なるひとり時間のことを「MY TIME」というらしいが、それとは区別して使われ始めているのが「ME TIME」。SNSでも度々取り上げられている。

そもそも忙しくて自分の時間もとれないのに、ましてや豊かな時間なんて! という声が聞こえてきそうだ。しかし、もちろんそのためには棚卸しをしていく必要がある。

池田さんは、METIMEをつくるためにはまずはSEEメソッドを用いて時間を生み出すことが必要だと本書で語る。

SEEメソッドは

S:Show(時間を見える化する)
E:Edit(時間を編集する)
E:Enjoy(時間を楽しむ)

の頭文字をとった名前。

時間の現状分析をして、好きなこと・やりたくないことの棚卸しをしたら「ME TIME」を生み出し(編集し)、それによって最後は浮かび上がった「ME TIME」をエンジョイするという流れなのだ。

人間に与えられる時間は平等で、24時間しかない(私は30時間くらいほしい!)。しかし、どうひっくり返っても時間は増えない(増えてほしいけれど)。

それならば、ある時間からこじあけて「ME TIME」を確保することが必要なのである。

その「やりたいこと」は本当に「好きなこと」なのか?

「ME TIME(ミータイム)」の確保

しかし、せっかく「ME TIME」ができても、自分が本当にやりたいこと・好きなこと・豊かに感じることって何なのかわからない。そう思う人も多い様子。

そもそも毎日の行いに振り回されていると、自分がやりたくてやっているのか、好きなのか嫌いなのか、そんなことを考える時間はないに等しい。

するといつの間にか思考・嗜好するスイッチはオフになっていて、自分の本音にアクセスできなくなっていたなんて話も聞く。実際に私も、何度ともなくそのような経験をした。
「嫌なことかどうかもわからないけれど、やらないといけない」
「やりたいことが思い浮かばないほど疲れている」

「何も考えたくなくて、とにかく眠りたい」

これが、日々のことに忙殺されていたときの、私の思いだ。

だからこそ、池田さんは時間の編集の必要性について強調している。

SEEメソッドによって、時間を生み出す際に心がけたいこと。それは、棚卸ししたその行動は、「Have to」なのか「Want」なのかを整理することが大切、と。

・今後の将来を考えやらなきゃやばいと思っていること=Have to
・本当にやりたいと思っていること=Want

これがその違いだ。

振り返ると、自分の中にも思い当たることがある。自分の時間ができて「今日は掃除をして模様替えをしたい!」と思っていたとする、その気持ちを分解してみると、

Have to:インテリアを入れ替えるために掃除をする
Want:おしゃれなインテリアを見て探すこと

だということに気づく。

自分の本音を尋ねてみると、実は意外とWantだと思っていたことが、Have toだったということもあるのだそうだ。

こうして、

・自分の本当に好きなことが何かを把握する
・実はやらざるをえないけど、手放したいことが何なのかを把握する

この2つは、豊かな時間を過ごすためには欠かせないこと。自分の本当に好きなことが理解できていれば、たとえば急にぽっかり生まれた空き時間にも、やりたいことをスッと実現できる。

そのために、オススメされているのが「好きを100個」リストアップすること。一見すると簡単なようで難しい。なぜならリストには「have to」を忍ばせないように気をつける必要があるからだ。

自分の心の底の本音を知ることは難しい。自分の時間を確保する以前に壮大なプロジェクトであるように思う。しかし、豊かな時間を生み出すための第一歩。あなたの“好き”リストができあがれば、時間の使い方が加速するだろう。

TIME is LIFE 限りある人生を生きる

「時間の見直しは人生の生き方の見直しです」

池田さんが著書で語るその一言に、グッと胸が締め付けられる。それは今から6年前のこと。当時私は務めていた職場で苦い思いを抱えていた。自分が成長したいと思っていてもその機会を見出せず、ただ耐えることしかできなかったからだ。

“あと何年耐えたら、この状況は変わるのだろうか”

しかし、私はこう考え直したのだ。

“仮に5年耐えるならば、その5年でさらに他のことができないか。自分が成長するチャンスをつくることができるのではないか”

そこから奮起し、既婚・子あり・アラフォーという転職市場におけるハンデはあったが、転職先を決めるために、1年半を費やし計画を立て、行動を繰り返した。

その後は理想の転職先に出会い、がむしゃらに経験を積み、人生が変化。人生を見直し、自分の生き方がひらけた瞬間だった。この経験は意識して「ME TIME」をつくったものではない。だが、人生を好転させる過程で「ME TIME」を生み出せたという意味でも確かな成功体験だった。

人は忙しくなると、ぎゅっと視界が狭まり、一点集中になる。「ME TIME」という人生の栄養剤を投下し、より豊かに生きていくためにも、まずは空高く飛び上がり鳥の目を持つ。

1年の始まりの清く広い心があるときだからこそ、棚卸しをして、人生を編集していきたいものである。いざ今年こそは!

(文:永見薫

presented by paiza

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