こんにちは、法人化はしていますが気持ちはフリーランス(永遠の17歳的な)の染谷です。平たく言えば日々フラフラと生活しているわけですが、みなさん、フリーランスって言葉に憧れますか?
実はあまり広めたくない話なのですが、フリーランスのなり方をこっそり教えちゃいます。
それは…
「わたしフリーランスですっ!」と言いましょう。
おめでとうございます、これで今日からあなたもフリーランスという名の無職です。って、これだけだとさすがに不親切な気がするので追記すると、
- 学生の場合
「学校卒業したけど人に使われるなんて嫌だし、自分のやりたい事あるからフリーランスになるぜ!」
- 会社員の場合
「あぁ、もうこんな馬鹿な上司のためや、無駄な稟議を書くために仕事してるわけじゃない!ほら、辞表だ受け取れ、バシッ!!」
おめでとうございます、これで今日からあなたもフリーランスという名の無職です。いや、でもホント、フリーランスになるのであればこれだけでOKなんですよ。
ただし、フリーランスという道を歩き続けるには、自分自身を見せる「セルフマーケティング」の力をつけることも大切です。
今回のコラムが、将来的にフリーランスを目指す会社員の方々にも新たな気づきを得られればと思います。
目次
フリーランスのよいところ
- 自分の好きな事ができる
- 自分のやったことがダイレクトにクライアントの反応や報酬で感じ取ることができる
- 仕事の仕方を自分で決められるので、平日に遊びに行ったり長期間旅行に行ったりする事も可能
- 無駄な社内調整しなくていい
- 理解力の乏しい上司のご機嫌を取らなくていい
- 参考書籍とかいろんなものが経費にできる(時と場合によって)
フリーランスの駄目とは言わないまでもなんとも微妙なところ
- 収入の保証がない(とはいってもサラリーマンも保証されているかというとそうでもないけど)
- 技術がないと仕事が来ない
- 発信力やコネクションがないと仕事が来ない
- 体調崩すと仕事が進まない
- 孤独
- 締め切り前は社畜以上の仕事畜になれる
- 「会社変わっても交流しましょうね!」とかいう元同僚の言葉が信用できなくなる
- 「フリーランス王に!!!!おれはなるっ!!!!」とか言うと親とか嫁に( ゚Д゚)ハァ?って言われる
- 同窓会とかで「いま何やってんの?」って聞かれたときに「フリーランスだよ」って言うと会話が止まる
フリーランスに向いている人
- 技術力のある人
- 発信力のある人
- 発信したいことのある人
- 好きなことがある人
- 諦めがよい人(早い人ではなくて)
- くよくよしない人
- 粘り強い人
- 孤独が好きな人
フリーランスに向かない人
- 自分の売り(過信でもなんでもよい)が見つからない人
- 人のせいにする人(被害妄想が強い人)
- 友人に囲まれていないと落ち着かない人
- 攻撃的な人(とはいっても自分では気付きませんが)
- 誰かがやってくれると思っている人
フリーランスの注意点
- 税金、保険、年金など(会社が支払っていてくれてた金額は結構でかいです)
- 健康(体力勝負な部分もあります)
- 収益の分散化
収益の分散化
この中でも収益の分散化はかなり重要で、なるべく一つの業務からの収益が20%を超えるような偏った状況にしないということに気をつけましょう。
全体の収益から見て20%以下の仕事であれば、万が一無くなっても大きなダメージを受けませんが、ひとつの仕事に50%とか70%という収益の比重がかかると相当不安定な収益構造になります。
実は会社員ってほとんどの人が会社からの給与(収益)が100%だという、見方によっては非常にリスキーな状況でもあります。
フリーランスの仕事の生み出し方
一番重要なことは、自分の能力をわかりやすく見込み客層に伝えるということです。
どんなに高い技術やすばらしいノウハウを持っていたとしても、それを世界に知らしめない限り、あなたという存在を見つけてもらうことはありません。現状ではブログやSNS、YouTubeなどを活用して、世間の役に立つ情報を発信していくのがよいでしょう。
その情報発信媒体にあなたのプロフィールを載せ、技能や得意分野を解説しておくことにより、あなたに仕事をお願いしたいという人からのコンタクトがある可能性があります。
要は自分自身のアピールポイントを的確に世の中に届ける「セルフマーケティング」が重要になってくるわけです。というわけで、これから本題に入っていこうと思います。実はこれも前置きが長いという、TTJ内でのセルフマーケティングです(言いわけ)。
そもそもセルフマーケティングとは
セルフマーケティングという言葉自体、まだ定義がはっきりしているわけではないので、染谷の主観が大きく入っているんですが、ざっくり分けて以下の2つの要素で構成しています。
自分の価値の可視化
自分の得意分野、実績、スキルなどなど自分のキャラクターを世界に届けるための準備を指します。要はセルフブランディングじゃね?って感じる人もいらっしゃると思いますが、セルフブランディングって言葉、なんか香ばしくないですか?(主観)
可視化した自分の価値を的確に届ける
いくらよいコンテンツでも、いくら実績を積み上げた人でも、伝わらなければ存在していないことと同じです。インターネットの世界では特にその傾向が顕著ですから、自己発信などによって「ここにいるよ!」と叫ばなければなりません。
あなたは誰ですか?
では実際に叫ぶための準備をしていきましょう。必要な要素は3つあります。
プロフィール・経歴
いままで経験した、学んだことを漏れなく棚卸ししていきましょう。自分では当たり前と思っているスキルでも、第三者から見たら異常値ということもよくありますので、謙遜しないでモリモリ載せていきましょう。
ちなみに僕は講演などで使うプロフィールはスライド一枚にまとめていますが、フルバージョンは2,000字を超えるボリュームで作ってあります。
なお、棚卸し方法については以下の記事を参考にしてください。
キャリアの棚卸しにおける3つのステップと具体的方法 – Tech Team Journal
得意分野、専門性、方向性を掲げる
まずは小さな分野のトップランナーを目指しましょう。◯◯の専門家だと、自称でもいいので旗を掲げることが重要です。
ちなみに新しい分野(特にテクノロジー分野)の専門家を目指すのが一番やりやすいです。なぜなら技術の進化によって、旧来の常識がリセットされるからです。僕がAndroidスマートフォンの専門家を自称できたのも、ブログ収益の専門家を自称できたのも、常識がリセットされたからです。
最近ではChatGPTのプロンプト(コンピュータに動作を促す行動≒AIへの質問力)の専門家も出てきています。時代の変化に敏感になることで、時流に乗ることができます。
リセットする瞬間を狙うための参考記事はこちら。
「ポンコツエンジニア」でも生き残れたワケ:日本マイクロソフト元業務執行役員、澤円さんインタビュー – Tech Team Journal
誰に伝えたいのか
初心者・新入社員など初学者向けなのか。経営陣・経験者などの専門家向けなのか。対象に応じてコンテンツの内容や、使用する言葉の選択は変わります。
初心者に専門用語を連発していたら「なんだか難しそうなことを言ってる人」という印象で終わってしまいますし、経験者にくどくど説明していたら「話だけ長くて専門知識がない人」という印象を与えてしまいます。
誰に向けて語るのか(マーケティング用語ではペルソナ)を意識して、自分の価値を可視化していくことが重要です。
人の心を動かす権威性
今回の記事の本題はこの項目です。さきほどからも使っていますが、フリーランスはどうしても「自称」が多くなってしまいます。
実績、ポートフォリオ(実績・作品集)を増やしていくことで、第三者視点の客観的な判断を付与することができます。でもポートフォリオってどうやって増やしたらよいのでしょうか。
僕がよく使うパターンが以下の流れになります。
1. 自助努力(発信、スキル習得、資格)
↓
2. 取材
↓
3. 公的機関・業界団体
では一つ一つ解説します。
自助努力
まずは自分で動かないことには何も始まりません。ブログ・note、SNS、YouTube、電子書籍(Kindle)などのプラットフォームにて得意分野の発信をしていきましょう。
得意分野の増やし方についてはこちらの記事を参考にしてください。
組み合わせによる独自性のあるキャリアを構築する方法 – Tech Team Journal
発信の他にも資格で自分のスキルを証明するやり方もあります。僕はIT分野の仕事をしているので、親和性の高いITパスポート試験(国家試験)の資格を取りました。
なぜ取得したのかというと、偉そうにセルフマーケティングの記事を書いて、なおかつ資格についても紹介しているのにもかかわらず、無資格だとカッコ悪いと思ったからです。
ITの仕組みをある程度理解していて(プログラム問題は捨てたけど)、ビジネス経験が長い人であれば比較的取りやすい資格だと思います。なお僕は実質1週間弱の勉強時間でギリギリ合格しましたが、こんな一夜漬け学習はお勧めしません。しっかり理解力を高めて受験しましょう。
国家資格ではないですが、ウェブ解析士やマイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)なども、持っているとアピールポイントになると思います。
ポートフォリオが増えたらそれをセールスポイントにして、自分の得意分野と親和性が高く、記事に名前を載せてくれるメディアに応募していきましょう。謝礼が出るに越したことはありませんが、自分のポートフォリオを増やすという意図であれば無報酬でもチャレンジすることをお勧めします。
取材
ある程度、知名度が上がってくると取材の依頼がやってくるようになります。
取材にはテレビ・ラジオ・新聞・雑誌などのレガシーメディアから、インターネットを中心とした新興メディアまで、さまざまなチャネルがあります。
僕は自分の専門分野の案件であれば、すべて即決で受けています。もちろん取材可否の返答や、原稿確認の対応スピードは早ければ早い方が好印象で、次にも繋がります。謝礼は出たら御の字で、無償でも自分のポートフォリオに加えられるので基本的に快諾しています。
なお、レガシーメディアにおいて雑誌の取材はほぼ掲載されますが、それ以外の取材は切り取られて掲載されたり、そもそも放送されなかったりすることもあるので、掲載されたらラッキー程度に思っておくと心にゆとりが生まれます。
公的機関や業界団体
ポートフォリオが充実してきたら、さらにそれを活かして社会的に信用が高い(と感じられる)団体の募集に応募していきます。
なぜかというと、フリーランスってなんかふわっとしているんですよ。ちょっと信用度に欠けると思いませんか?でも公的機関の仕事をやっていると実績に書くことで、不思議と世間的な信頼度が上がるんです。
公的機関、具体的には地方自治体や観光協会、商工会・商工会議所、そして教育機関(大学や高校など)です。特に公的機関は情報発信の方法を知りたい要望が強いので、発信力は大きなセールスポイントになります。
参考までに僕の公的機関での活動を載せておきます。
【講演】
- 埼玉県蓮田市商工会(地元だよ)
- 愛知県蒲郡市
- 一般社団法人Webマーケティング協会
- 長野県・長野県中小企業振興センター
- 神奈川県綾瀬市
- 跡見学園女子大学 ロケツーリズム研究会
- 静岡県小山町
- 青梅青年会議所
- TOKYO創業ステーション StartupHub Tokyo TAMA
【アドバイザー】
- 長崎県壱岐市広報戦略アドバイザー
- 宮崎県宮崎市広報アドバイザー
教育関連だと、大学などでの講師をするための基礎知識を取得できる「実務家教員養成課程」を修了していたり、武蔵野大学でデータサイエンス基礎(1年生科目)のサブ講師を担当していたり、今度、千葉県の私立高校でキャリアについての講演を予定していたりします。
プロフィールのアップデート
前の項目で紹介した3つのサイクルは一度通過して終わりではありません。一足飛びで実績が増えることはありませんので、らせん状に、一歩一歩階段を上る意識で何回も繰り返す必要があります。
ノウハウを自己発信
↓
ノウハウを知ったメディアから取材の依頼
↓
メディアを実績に別の媒体にアプローチ
↓
専門家の権威性を積み上げる
↓
新しいポジションで得た(深まった)知識を発信
↓
専門メディアから取材の依頼
といった流れです。
「伝える」ことの重要性
大切なことなので最後にもう一度、「伝える」ことの重要性について書きます。
何度も言いますが、いくらよいコンテンツでも伝わらなければ存在していないことと同じです。だからこそ効果的なプロモーションで、自分というコンテンツを世界に届ける必要性があります。
そして誰かと比較されないためには「独自性」を際立たせる必要があります。独自性とはなにか、それは「あなたのポートフォリオ」です。高品質な内容(コンテンツ)を準備し、いま、なぜ、あなたが伝える必要があるのかを明確にすることで、独自性は磨かれていきます。
あ、最後の最後でもう一つ、行政機関の仕事はインターネット界隈と時の流れが大きく違うので、リアクションに時間がかかっても気にしないメンタルを身につけておくことをお勧めします。
(文・染谷 昌利)